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さよならの挨拶はきちんとしたいのです ページ29

お手紙のお話が終わると、不動さんに速やかに帰るように言われてしまい、私は渋々帰路に着く。

でもいいんです。だって不動さんがお日さま園まで送って下さりましたから。

『外暗いから1人じゃ危ないだろ』ですって。
相変わらず不動さんは優しいのです。



「途中、雷々軒に寄り道してもよろしかったのに…」

「…あんまお前連れ出すとまた怪しまれそう」

「今更ソレを気にするのです?」

「え?何?もう怪しまれてるのか…?」

「怪しまれてる、と言うよりは…からかわれている?」

「……それでいいのか、お前は」



不動さんには呆れられましたが、別に私は構いません。

おふざけでも不動さんとの噂をされるのは少し嬉しいのです。


…まぁ、かと言って前のように皆の前でカミングアウトされるのは流石に嫌なのですが。



「…じゃ、またな古城」

「え…?もう行ってしまわれるのですか?」

「当たり前だろ…あんま長居したらまたからかわれるぞ、お前…」

「でもまだちゅーされてませんし、頭撫でられてませんし、抱き締められてません。
さよならの挨拶はちゃんとしてくれないと」

「っ……あのなァ」



お日さま園の玄関に着いてすぐお別れなんて。
そんな寂しい事ありますか。


私は両手を広げて不動さんにお別れの挨拶を強請りますと、不動さんはほんのり頬を染めながら困ったように頭を掻いた。

そうして不動さんは少し間を開けてから、私の頭の上に手を置いて撫でてくれました。


……って、これじゃいつも通り……



「…今度一緒に出掛けてやるから、今回はコレで許せ」

「…!」



と、思いましたが、付け足されたその夢のような言葉に甘んじて許してあげましょう。

というか、まるで私の心を読んだかのようですね不動さん。
顔に出ていたのでしょうか。


どちらにしろ、デートのお約束をされたのです。
しかも珍しく不動さんから。

これは頷くしか選択肢が無く、私はコクコク頷くと
不動さんはフッと笑ってから滑らせるように私の頬をひと撫でしました。



「……じゃ、今度こそまたな、お姫様」

「は…はい。さようなら、不動さん」

「大変だと思うが、頑張れよ」

「は、はい…!

………はい?」



最後に意味深な言葉を残し、不動さんは行ってしまいました。

何を頑張ればいいのかわからず、終始首を捻っておりましたが、お日さま園の中に入った瞬間、その言葉の意味を理解しました。

お説教なのです→←認めざるおえないんだよ



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ゆうくん(結翔)(プロフ) - *IJu*さん» いえいえ!!はい、頑張ってください!!! (2020年5月6日 8時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜! (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください!!! (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月23日 1時

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