勘違いしてるんだ ページ26
「誰からだ？」
「見てみて下さい」
「何が書かれてるんだ？」
「見ればわかります」
「……中に何か仕掛けてたりしないよな？」
「…………」
「おい、なんでそこで黙るんだよ、喋れ」
なんだ、その顔。
その『いい事思い付いた』って顔。
『あ、今度やろう』って顔すんじゃねぇ。
こっちは手紙渡されただけでちょっと期待したんだからな。
やったら真面目に泣いてやるからな。
…とまぁ、彼女のそんな顔を見て一瞬開くのを躊躇したが、その後の古城曰く「何にも仕掛けてなんかおりません」だと。
その言葉を信じて俺は封を開け、中の便箋を取り出した。
便箋は1枚。3つ折りにされていたが、少し折り目がズレていて歪だった。
その便箋を開き、中に書いてある文字を読んでみる。
�狃佞砲覆辰燭蕾箸泙之泙┐僕茲討�れ��
立派な便箋なのに、中身は1文、それだけだった。
字も少々歪んでいたが、なんとか読む事が出来
俺はﾊﾟﾁﾊﾟﾁと瞬きを繰り返した後に「まさか」と古城の方を見遣る。
すると古城は何処か嬉しそうな顔をして俺を見つめた。
………コレ、コイツの親父さんからの手紙……？
いや、でもそんな、まさか。
だとしたらこの文章って。
「…差出人は？」
「わかりません。何処にも書いていなくって。
でもきっとお父さんです。お父さん、春になったら戻って来るんですよ、きっと」
そう語る古城の何と嬉しそうな顔か。
完全に頬が緩んで、目尻も柔らかく垂れて幸せそうだ。
この間の古城とはまるで別人。
でも期待している所悪いが、コレがコイツの親父さんの手紙ならその内容は有り得ない。
だって、彼女の親父さんは………
「……誰かのイタズラかなんかじゃねーか？」
「…？どうしてそう思うのです？」
「だ、だって……ほら、お前だって…知ってるだろう？お前の親父さんは……」
「……？」
このまま有頂天になる前に、俺は彼女を抑え込もうとした。
あんまり期待が高まると、裏切られた時の反動が怖いからな。
でも彼女の事を考えるとなかなか言いづらくって
俺は思わず口ごもってしまうと、古城はこてんと首を傾げた。
「…ああ、もしかして不動さん、勘違いなされてます？」
「…は？」
だがふと彼女は首を戻して思い出したかのようにそう言った。
その言葉に俺は思わず眉をひそめると、古城は淡々と続けた。
「私のお父さん、死んでませんよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 25人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「イナズマイレブン」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - ＊IJu＊さん» いえいえ！！はい、頑張ってください！！！ (2020年5月6日 8時) (
レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜！ (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください！！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
