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ちょっと期待したんだ ページ25

そんな感じで部活も終わり、帰る頃には狩屋達は普通に練習してた人よりも随分と疲弊しているように見えた。

ま、おかげで松風は新しい必殺技の糸口が掴めたようだし、狩屋と影山もヒントが見つかったようだし。


相変わらず雷門の奴らの成長は目まぐるしい。
これは次来た時にはもう必殺技出来てたりして。



「今日はありがとうございました、不動さん!
また今度も宜しくお願いします!」

「おー、気を付けて帰れよ」

「はい!さようなら!」



別れ際に松風は手を振りながらそう言うと
校門の前に立つ空野達の方へ向かい、帰って行った。

ソレを見送る頃には周りには円堂以外すっかり人がいなくなり、俺も帰るかと支度をしていると
不意に、後ろから声が掛けられた。



「不動さん」

「…おー、古城」



どうやら古城はまだ残っていたらしい。

もこもこのマフラーを巻いた古城がいつの間にか俺の後ろに立っていた。


返事を返すと古城は何処か嬉しそうな反応をしながら
「この後、お暇ですか?」と俺に尋ねた。



「暇だけど……なんだ?雷々軒に行きたいのか?」

「いえ、そういうわけではない…と言ったら嘘になりますが」

「どっちだよ」



相変わらず素直なヤツだ。
でも今回はソレが目的ではないようだ。


「じゃあなんだ?」と尋ねると古城は途端に困ったように目を泳がせて何やら口ごもる。

何か話づらい事なのか…?
それとも、どうやって切り出そうか迷ってる…?



「えぇっと、その……あ!
不動さん、これをひとまず読んでみて下さい」

「…?これって……」



何を話そうとしているのか予想出来なかったので
彼女が話し出すのを待っていたら、不意に古城は思い出したかのように鞄からある物を取り出して、俺に差し出した。


ソレは封筒だった。真っ白な封筒。

ああ、でも下の方に薄ピンク色の花びらが散ってる印刷がされてて、何処か春らしい封筒だ。


丸いシールで封をされたソレを俺は暫く呆然と見つめてから、そっとその封筒を受け取ると一応確認の為に自分を指差しながら尋ねた。



「……俺に?」

「いえ、違います。私が貰ったんです。
例え不動さんでもあげませんからね」

「いや、俺宛じゃねぇならいらないけど……」



………ちょっと期待してたりしてなかったり。


まぁ、今の時代メールやらイナラインやらがあるし
そうでなくてもストレートに感情を伝えて来る古城がわざわざこんな古典的な方法を使ったりしないか。

勘違いしてるんだ→←心配して損したんだ



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ゆうくん(結翔)(プロフ) - *IJu*さん» いえいえ!!はい、頑張ってください!!! (2020年5月6日 8時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜! (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください!!! (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月23日 1時

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