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頑固なんだ ページ23

「天馬君、この間新しい必殺技の練習をしていたんです!京介君も新しい特訓の成果もあって、シュートの威力も上がりましたし、狩屋君も影山君と新しい必殺技に挑戦しようってお話していて……」



古城は何としてでも俺を此処に引き留めたいらしい。

咄嗟に出たような言葉に続いて、つらつらとアピールし始めた。


素直に此処にいてくれって言えば、幾らでもいてやるってのに…変な所で頑固だなぁ。

ま、その方がこっちも見てて面白いんだケド。


……つかコイツ、意外と選手の事見てんのな。

なんかいつもぼんやりしてるし、俺ばっか見てるからあんま見てないのかと思ってた。



「でもそれって円堂達に見てもらってもいいんじゃねーか?なんでわざわざ俺なんかに?」

「当たり前ですよ、不動さんだって有名な選手なんですから。プロに教わるのは当然です」

「今は選手やってねーっつーの。
ま、気が向いたらまたやるつもりだケド」

「………つまり今の不動さんはニ」

「あー、帰ろっかなー?俺もう帰ろっかなー??」

「嘘ですダメです行かないで下さい」



ちょっとふざけた事言いそうだったんで俺は彼女に背中を向けると、遂に彼女の手が俺の上着の裾を掴んだ。

直後にハッとして口元に片手をやる古城。
でも反対側の手は俺の服を離そうとはしなかった。



「…行ってほしくないんだろ?」

「……」

「此処にいてほしいんだろ?」

「……」

「フドーさんの傍にいたいんだろ?」

「……うぐっ」



珍しく素直じゃない古城が面白くって、ついついからかってしまう。

でもちょっとやり過ぎただろうか。
彼女の瞳がうるうるし始めた。


腕もプルプル震えだし、それでも俺を捕まえる。

そんなんされたらちょっと可哀想になって来て。
あとちょっと嬉しくて。


俺は彼女の頭に手を置くと、そのままポンポンとその頑固か頭を撫でてやった。



「…しょーがねーから今日は此処にいてやるよ」

「…ほんとですか?」

「ホントホント」

「……えへへ」



遂に俺はそう言うと、古城は途端に安心したようにふにゃりと笑う。

不意なその顔が思わず心臓に来て、俺は咄嗟に撫でていた手でその顔をガッと掴むと、途端に彼女に怒られてしまった。




……なら、心臓に悪い顔すんなっての。

心配して損したんだ→←意地悪するんだ



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ゆうくん(結翔)(プロフ) - *IJu*さん» いえいえ!!はい、頑張ってください!!! (2020年5月6日 8時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます!そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜! (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください!!! (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月23日 1時

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