動かないんだ ページ12
……動かない。
「てゆうかA、それで足りる？」
「足りると言ったら嘘になります」
「…俺のドーナツ、半分いる？」
「半分以上食べている状態で言われましても」
目の前で楽しそうに話す2人。
でも片方の表情が全くと言っていいほど、動かない。
話し方はいつも通りだ。ああ、でもちょっと低いかも。仕草もいつも通りで、ちゃんと反応だってある。
でも表情。表情だけがまるで仮面のように動かない。
ずっと無から固定。楽しそうに喋ってるのに、表情から見たら全くそうには感じない。
古城はどうだか知らないが、狩屋もその異変には気付いてる。
だからさっき、『美味しい？』なんて聞いて。顔を覗き込んで。
オマケに前髪をピンで止めてもいないから、なんだか以前の古城に戻っているようだ。
「…古城、口元にまたなんか付いてる」
「え？」
暫く彼女の様子を見ていたが、不意に俺はそう言うと彼女の方に手を伸ばす。
頬に付いた卵ソースを指で拭い、反応を見てみるが
古城はやはり表情を動かさず、視線を少し下に落とした。
「…ありがとう、ございます」
「……」
照れくさそうにお礼は言いつつも、何も動じていないような顔をして。
こうなって来るとこっちまで落ち込んじまう。
俺は1つ息を吐いて、コーヒーを1口流し込む。
…と、ふと彼女の隣から視線を感じてそちらの方を見遣ると、狩屋が驚いたような顔をして俺を見ていた。
「……なんだよ、狩屋？」
「あー…いや……そーゆー事やっちゃうんだなぁ、って……」
「………………あ、」
……言われてから『やっちまった』って思った。
そりゃそうだよな。フツー口元になんか付いてるからって相手の口元を指で拭う人なんていないよな。
ましてや女子高生の口元をさ。
いつもやってるし、古城の表情が動くか確認する為についやってしまったが……そうだ、今は目の前に狩屋がいるんだった。
「いやー、今のはその、つい…気になって……その……」
「……」
何とかいい感じの言い訳を考えるが、焦ってしまってすぐには頭に浮かんで来ない。
額に冷や汗をかきながら、それでも俺は言い訳を考えていると、不意に古城がじっと狩屋を見つめだした。
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ゆうくん(結翔)(プロフ) - ＊IJu＊さん» いえいえ！！はい、頑張ってください！！！ (2020年5月6日 8時) (
レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - ゆうくん(結翔)さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです( ´ ▽ ` )これからも頑張ります〜！ (2020年5月6日 4時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうくん(結翔)(プロフ) - とても内容めっちゃ好きです(語彙)これからも頑張ってください！！！ (2020年5月4日 13時) (レス) id: 891a01bcc7 (このIDを非表示/違反報告)
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