△リボンが15こ▽ ページ18
「あ、驚かせちゃった…?急に話し掛けてごめんね、まなべ」
「………いえ。こちらこそ、わざわざありがとうございます」
真名部の驚きの声に彼女は苦笑いを浮かべて謝ると
真名部は調子を狂わされつつも一応礼を述べた。
これにて最大のチャンスは失われ、真名部は内心ガックリと肩を落とした。
この時真名部は自分が行動するよりも頭で考える人間なんだと再確認する。
しかし、彼女が持って来たカバンの中身に異常が無ければ、まだ助かる道はある。
真名部は彼女からスクールバッグを受け取ると
内ポケットをガサゴソと探り、スマホを探した。
しかし教科書の冷たい感触はあれど、スマホの感触はいつまで経っても見つからない。
真名部は疑問に思ってスクールバッグの中を覗き、再び探してみるが、いつもそこに入れているはずの物がなかった。
「ところで、まなべは何を探しているの?
もしかして、この電話を直す道具とか?」
「………………」
真名部の視線はカバンから彼女に移る。
Aは無邪気に首を傾げながらそう告げる。
まるで何にも知らない。何にもわからない子供のように。
その反応が、何だか胡散臭くて演技のように思えた。
そうでなければ、自分のスマホは何処へ消えたと言うのか?
塾から出た後、両親に連絡をして確かに自分はスマホをスクールバッグの内ポケットの中に入れた。
真名部はいつもそこに入れているから。
だからないと可笑しいのだ。
念の為、バックの中身をひっくり返す勢いで探したがやはり見つからない。
そうなると、犯人は自ずと彼の中で決まってしまう。
「……貴方、このバックの中身、いじりました?」
真名部はバックを指差しながら、彼女に問う。
その目は彼女を疑っていた。
当然だろう。あった物が無くなったのだから。
しかも外部との連絡が出来る唯一の希望。
この状況でソレが無くなって喜ぶのは目の前の彼女ぐらいしかいない。
そんな真名部の疑いの眼差しを知ってか知らずか。
彼女はキョトンとした顔をして真名部を見つめた後
少し言いづらそうに真名部から目をそらすと、指遊びをしながら答えた。
「えーっと…怒らないでね?
その……ちょっとだけ、中身見ちゃった」
「………そうですか」
その答え方に、真名部はまた苛立ちを覚えた。
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Rai - *IJu*さん» イベント参加ありがとうございます〜! 実は私もその作品「 箱庭少女の孤高哀歌」も読んでました正に好きで、これからの作品ともに頑張って下さい! (2020年8月25日 18時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Raiさん» ありがとうございます〜!では参加させて頂きますね〜! (2020年8月25日 18時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
Rai - *IJu*さん» その他大丈夫です!後そのまま画面、ペースト、通常検索など出て来ると思います! (2020年8月25日 17時) (レス) id: 882913bd82 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Raiさん» ですが、Raiさんがもしよろしければ、他にもイナGOの作品を書いているので、そちらの方でイベントに参加させて頂いても宜しいでしょうか? (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Raiさん» 初めまして、コメントありがとうございます!折角のお誘い感謝致しますが、この小説は内容があまり明るくない上に人を選ぶ作品だと思っておりますので、この作品での参加はお断りさせて頂きます…… (2020年8月25日 15時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
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