【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの憂鬱 ページ7

サクマのゲンダがいなくなって、病院内ではちょっとした騒ぎとなっていた。

警察の人とかも来て色々看護師さんとかは聞かれたようだけど、やっぱりわからないみたい。

2人の部屋には争われた痕跡とかもないし、もしかしたら脱走したのかもって警察の人が話してたのをちょっと聞いちゃった。



違う、違うよ。2人は脱走したんじゃない。

あの怖い人に誘拐されたんだ。


だってあの人が来るまではなんにもなかったもん。

脱走する素振りなんて見せた事なんてないし、なによりあの人が来てからいなくなっちゃうだなんて、絶対可笑しいし、怪しい。

どうやって2人を誘拐したのかはわからないけれど…
絶対にあの人が連れてったに違いない。



勿論言ったよ。看護師さんや警察の人達に。

『2人は知らない男の人に連れてかれたんだ』って。
『昨日、その知らない人と話してる2人を見た』って。


そこまでは警察の人達も信用してくれたようで、真剣に話を聞いてくれたけれど
その知らない人が2人と同じぐらいの男の子だって知った途端、笑われてしまった。


子供が子供を誘拐するなんて、ありえない。

不安なのはわかるけれど、ちょっと考え過ぎだよ。



…そんな事を言われた。



私は何も言えなかった。
言い返そうとしたけれど、言い返せなかった。

こういう時なんて言えば信じてくれるのか、私は知らなかったから。
なんて言えばまともに話を聞いてくれるのか、知らなかった。



結局、私の話は『空想好きの女の子の単なる妄想』としか捉えられず。
警察の人も看護師さんも信じてくれず、私は悔しさとモヤモヤした気持ちを抱えたまま、その日は病室に戻った。





そうしてその日から警察さんも2人の捜索を開始して
丁度3日経った頃だった。

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