【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルと約束 ページ47

「う、うん…大丈夫だよ」

「そうか…良かった。妙な事されずに済んで」



そう言いながらサクマは私の頬を両手で包み込む様に触れ、安堵の表情を浮かべた。

サクマが言っている�猝�な事�瓩砲弔い討呂茲�わからなかったけれど、優しいサクマに戻った今こそ
フドウは悪い事を企んでいたワケではないと伝える事にした。



「あ……あのあの、あの…ね、サクマ。
別にフドウはね、私に酷い事しようとしていたワケじゃないの」

「…何？」

「ただね、私にね、サッカーのルールとか教えてくれようとしてただけなの」

「……アイツが？」



また細められるサクマの瞳。
サクマはどうやらフドウがあんまり好きじゃないみたい。

でもその後、サクマは何やら考えるような顔をして視線を落とす。
何を考えてるのか気になったけれど、思考の邪魔になったらいけないと思って私は大人しく黙っていた。


考え事してる時に話しかけられたら気が散っちゃうもんね。

私もよく空想しているからわかる。
自分の世界を自由に考えている時に話し掛けられたら
急に現実に戻って来るようで、私はあんまり好きじゃない。



「…なら、俺が教えてやろう」



少ししてサクマは顔を上げると、笑みを浮かべてそう言った。

思ってもみない申し出に思わず「ほんと？」と聞き返すと、サクマは私の頭を優しく撫でながら頷いた。



「ああ、ゲンダと一緒に3人で」

「ゲンダも一緒に？」

「でも、教えるからには厳しくするからな。
…それでもいいか？」

「うん！やるやる！一緒にやる！」



しかもゲンダも一緒なんだって。

そんなの考えるだけで楽しくって、私は何度も頷いて口元を綻ばせた。


サクマはこう言ってるけれど、病院でチェスのやり方を教えてもらった時みたいに、きっと優しく丁寧に教えてくれるはず。

ゲンダもわかりやすく教えてくれると思うんだ。


何より、2人と一緒に過ごせるんだもん。

嬉しくって堪らない。



「じゃあ、夕飯を食べたら一緒にミーティングルームに行こうな」

「うん！」

「…その前に髪を拭いてやろう。
ビショビショのままじゃ風邪を引くぞ」

「いいの？ありがとー！」



約束をしてからサクマは立ち上がると、私の濡れた髪を気にしてくれた。

「俺の部屋でいいか？」と首を傾げるサクマに私はまた頷くと、彼と肩を並べて薄暗い通路を歩いた。

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