【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの初日 ページ43

それから私はフドウと2人で、サッカーボールの扱いについて教えてもらった。


まずは軽くリフティング。
それからヘディングとか胸でボールを受け止める練習とか。

サッカーボールは意外と固くって、でも思っていたより軽いからちょっと力入れて蹴るだけで随分と遠くまで飛んで行っちゃうんだ。

ボールに少し慣れてからはフドウとボールをパスする練習してたんだけれど、思っている方向とは全く別方向に飛ばしちゃうの。


ドリブルも勿論ダメダメ。
ボールが変な方向に行っちゃって、ソレを夢中で追い掛けたらフドウが指定したコースから逸れちゃうし。

シュートの練習だって何回かゴールに入らずどっか行っちゃうし、「力が足りない」だとか「弱過ぎる」だとかフドウに怒られるし。


一応キーパーもやらせてもらったけれど
フドウのシュートはとても速くて、思わず逃げちゃった。

それでフドウは「まだ本気じゃないんだケドな」なんて言うんだよ。本当に意地悪なんだから。



途中お昼休憩を挟みつつも、そんな感じで今日1日はずーっとフドウに付きっきりでボールに触れ
でもただ馬鹿にされただけで終わった。



「うぅー……疲れたぁ……」



練習がようやく終わって、私達は部屋に戻ると
私なベッドの上にへたり込み、溜息と共に言葉を漏らした。


…人間って、限界まで体を酷使すると震えるんだね。

今ね、私の足が凄くｶﾞﾀｶﾞﾀ震えてるの。
さっきまで普通に走ってたのが嘘みたい。


でも不思議と苦痛には感じなかったかな。

だって今まで禁止されてた事やってるんだもん。


運動は絶対やっちゃダメだってお医者さんにずっと言われてた。
だから今まで本気で走る事も、廊下を軽く駆ける事すら殆ど無かったら。


でもこのエイリア石があれば全力で走っても、飛んだり跳ねたりしても発作は起きない。

この石って本当に凄い。
コレのおかげで私は今、普通の人みたいになれてるんだ。



……まぁ、普通の人よりは体力も力もずっとずっと下だろうけれど。

でもこれからサッカーで鍛えて行けば、いつか人並み程度にはなるよね。



「…ちょっと、寝るならせめてシャワー浴びて来てよね。汗臭いのと寝たくないから」

「はぁい……」

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