◇ラプンツェルのユニフォーム ページ39
「ったく…なんで私が…」
言い争いの末、結局タカナシは私と一緒にユニフォームを取りに行く事になり、彼女はブツブツと文句を言いながら薄暗い潜水艦内を先導する。
先導するのはいいけれど…タカナシ、歩くの少し速い……
私が小さいからその分歩幅がないせいかもしれないけれど、それにしたって速い。
私、軽く駆け足になってるもん。
普段からこうやってキビキビ歩く人なのか
本当に面倒くさくて、さっさと終わらせたいのか…
「ほら!こっから適当なの取って着てみな」
そんな感じだったから、そのユニフォームがある部屋にあっという間に辿り着き、タカナシは振り返りざまに私を睨みながらそう告げた。
言われて私は恐る恐る中に入ると
その部屋には得点板や小さな三角コーンなど、サッカーに使えそうな物が沢山詰められていた。
中には『本当にサッカーで使うのだろうか…?』と思われるような物もあって、好奇心が勝った私は思わず部屋をまじまじと眺めた。
そうしたらタカナシはわざとらしく大きな溜息を吐いてズンズンと幾つかのダンボールが積み上がっている所まで行くと、乱暴に中の物を取り出して私の方に投げ付けた。
「とりあえず、ソレから着てみな」
投げ付けられた物は勿論ユニフォーム。
制服と同じ深緑色が綺麗に畳まれた状態で袋に入っていた。
彼女に言われた通り着ようと思ったが、着替える場所がわからないので、怖いけど彼女に尋ねてみることに。
「あ、あの…着替える場所って…」
「あン?何言ってんだ?此処で着替えな、此処で」
「え…えっ?」
こ、此処って…この、物置みたいな場所で?
タカナシの目の前で?何の仕切りも無しに??
私は思わず目をパチパチと瞬かせると、タカナシはまた不機嫌そうに顔を歪めた。
「…何?此処じゃ着替えられないの?」
「ち、違うっ…!その、今まではカーテンとかでちゃんと…その、見えないようにしてたから……」
「別に女同士なんだから見られたっていいだろ?
いちいち部屋出るのも面倒だし……そんなに見られたくないなら背中でも向けてれば?」
「そ、そっか…わかった!」
タカナシに言われて私は彼女に背中を向けると
ユニフォームの袋を開けて早速着替えようとズボンに手を掛けた。
でもそこで手が止まってしまい、私はゆっくり振り返ると部屋の隅っこの方を指差した。
「……えっと、やっぱり得点板の裏で着替えてもいい…かな?」
「…好きにすれば」
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*IJu*(プロフ) - 桜吹雪さん» コメントありがとうございます〜!箱庭少女の方でもコメントありがとうです^^桜吹雪さんの好みに刺さったようで良かったです()ノロノロナメクジ更新なのでのんびり待っていてくれると嬉しいです…すみませんorz 桜吹雪さんこそ風邪など引かないように!更新頑張ります! (2019年10月30日 1時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪(プロフ) - コメント失礼します。他作品でもコメントさせて頂いたものです。いやもう.....神様ですかっ!?()好みドンピシャです!毎朝、更新されてないかつい確認してしまいます(笑)最近は寒いので、お体に気を付けて頑張ってください!応援してます! (2019年10月29日 20時) (レス) id: 82aa4d9473 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - アインツバルさん» コメントありがとうございます!一気読みする程夢中になって頂けて嬉しいです( ´ ▽ ` )影山怖いですもんね、注意してね……(他人事)これからも更新頑張ります〜! (2019年10月1日 1時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル - *IJu*さん» 作者様の文才や世界観に引き込まれ、つい一気読みしてしまいました!黒井ちゃん、影山には気をつけて……!!(オイ←)これからも頑張って下さい! (2019年9月27日 16時) (レス) id: db0b681609 (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - 神田・スカーレットさん» コメントありがとうございます!真・帝国の不動くんは良いぞ……()オリオンの不動くんは真・帝国のようなトゲトゲイガイガが丸くなった感じですよね、それはそれは可愛いと思います( ˇωˇ )木の上で寝てた時笑いましたw (2019年9月17日 13時) (レス) id: 3241b35fe8 (このIDを非表示/違反報告)
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