【イナイレ】シッカーラプンツェル【不動明王】

◇ラプンツェルの誘惑 ページ14

「俺の要求に応えてくれれば…この石、お前にやるぜ？」



もう私はその石の魅力に釘付けとなり、じっとエイリア石を見つめる。

そうしたらその人はくつくつと楽しそうに笑いながら甘い誘惑を囁いた。



「………え？」

「言っとくけど本気だぜ？
その為に今日、わざわざ此処に来てやったんだ」



耳を疑うような夢のような話に私はその人を見上げると、その人はそう言葉を付け足した。



でも……要求ってなんなんだろう…？

こんな意地悪な人だ。石だって多分すごく高価な物だろうし、きっととんでもない要求に決まってる。


無理難題を押し付けて、私を馬鹿にしようとしてるんだ。

もしかしたら使うだけ使って、石はくれずに捨てられるのかも。



…なんて、本で見た展開をそのまま当てはめて警戒するけど、それでも目の前で揺れる石の存在は魅力的だった。


とりあえず話だけでも聞こうと思って、私は恐る恐るその人に尋ねた。



「………貴方の、望みはなんなの？」

「�牴兇醗貊錣僕茲き瓠帖弔修譴世韻澄�



「カンタンだろ？」と首を捻る怖い人。

でもその要求は私にとっては簡単なんかじゃなかった。


ああ、やっぱりこの人は意地悪だ。
そんなの無理に決まってるじゃない。

だって私の病気はまだ治ってなんかないのに。
悪化したらどうしてくれるんだろう。


仮にその石があれば、私の病気はどうにかなるかもしれないけれど、そういうのって大抵副作用があるものだ。

お薬だって毎日病院側から配られている物を飲んでいるし。



それに、何より私には＿＿＿＿＿＿＿



「ああ、もちろん佐久間と源田がいる所だから安心しろ」

「………サクマと、ゲンダが？」

「2人だけじゃない。他にも2人みたいなオトモダチが沢山いるんだ。秘密基地みたいな場所でみんな仲良くしてる」

「オトモダチ………秘密基地………」



石の誘惑に何とか踏みとどまっている状態で、その人は更に魅力的な言葉を口にする。

サクマとゲンダもこうやって、この人に連れて行かれたのかな。



「…どうせお前、�狷箸蠅椶辰銑瓩覆鵑世蹇�

大丈夫だ、お前に寂しい思いをさせる奴はいないから。お前が待つ�猴茲覆ぅ皀鶚瓩醗磴辰討福�

「……！」



最後にその人はトドメとばかりに、さっきとは打って変わって優しく宥めるような声でそんな事を口にした。

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