意地悪注意報【まふまふ】

注意報▼36 ページ36

きっと、待ち望んでいたような世界なのに






推しに付き合おうって言われるのが






私にとっての幸せなのに





この人の言う言葉に頷いてしまえば

私は"浦田君"という籠の中でずっと

幸せでいられるのに









「わたし…勘違いじゃないです…相川君がすきです…」







推しが好きなのに








口から溢れる名前は相川君で






そんな私を見た浦田さんが





「あーあ、やっぱ簡単には落とせないよね」



なんて言いながら私から離れた





「Aちゃんが俺に落ちてくれれば、楽しかったのになぁ」





彼は残念そうな顔をしながらも
楽しそうだった。






「あのっ…帰ります…」





「あ、お金」




「だっ、大丈夫です歩きます」







きっと帰りのバス代とかそういうことだろうけど

歩いちゃえばかからないし


とりあえず彼と一緒にいると



心が揺らいでしまいそうで怖いのだ









*






優しくて、推しの声で



ドSな面もあって





私の好きがきっと詰め込まれている気もするから




一緒にいたら、








相川君を怒らせたまま
私は何も言えなくなっちゃう…









そんなの嫌だ。









浦田さんはきっと優しい。

今日だって
私のこと心配してくれたり
公園へ来るときも沢山楽しい話ができた


好きって思わないわけないだろう。



私にとって幸せなことなのにどうして選ばなかったの？って昔の私に問われてしまう気がする

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