[男主]俺、さっきまで魔法少女(※だが男だ)をやってたんだけどいきなり変な奴にガチな告白されて、マジビビったわ[BL]

まじかる☆ステッキ　２９ ページ30

如月 Aside





「良かった、会長」


そう俺は消え入るように呟くと綺麗な放物線を描いて倒れた
靄がかかったような意識の中、
会長を見つめる
いつもの綺麗な瞳が俺を見つめて何かを叫んでいる
ありったけの涙を溢しながら叫んでいる




「う"あ"あ"あ"あ"あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ？！？！！！
自分は、
何をした？！！
大切なA君をけがした？！！？！
ごめん、ごめん…ごめんなさい
う"あ"あぁぁぁぁぁっっ？！？！！」




耳に微かに聴こえる
感情の大雨
溢れてる
危険水域に達する
堤防が破壊される
ごめんなさい
これもきっと俺の力不足のせいだよね



＊＊＊



誰かのすすり泣く声がする
ぱちりと瞼を開く
早く慰めないと
俺には、休んでいる暇なんてない
だって、世界の秩序と正義を護る魔法少女なんだから



周りを見渡す
アレ？
泣いてる人がイナイ？

「………あ、あぁAくん？！」


硝子の円いお盆を抱えてやってきた会長が駆けてくる
「Aくん？！Aくん！！！
Aくん………！！！！」



会長は硝子のお盆を投げ捨てながら
俺に必死に抱きついてきた



「Aくん、すまない…
本当にすまない。
Aくんを襲って酷く無理矢理手籠めにしたのは悪いと思っている。」



抱き締められながら聴くのは、
会長の憐れと思う程情けなく強く激しい叫びのような懺悔と
硝子のお盆が割れる音


派手な音が室内に響く
それも構わず会長は謝罪の言葉を繰り返してくる
涙が雨のように降ってくる



すすり泣いていたのは会長なんだ
今、ようやく納得する





俺はそれを勝手に納得しながら、
会長の頬に両手をやり、目と目を見つめ合う
俺が少し小さいから上をみるような感じなんだけど



そして、自分の頬に両手をやり思いっきり引っ張る


頬がぐにぃんと歪む
すると、少し笑う会長


次は思いっきり変顔
会長が腹を抱えて笑い出す



「会長……」


笑いすぎて涙目の会長に抱き着く
そして、囁くように耳許で俺は
「会長は、ずっとずっと笑顔でいてください」といい微笑んだ

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