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21. 瞳 ページ21

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少しお金に余裕が出てきたので
久々にお土産を携えて万事屋に遊びに来ている。

ケーキの欠片をフォークで集めながら、
銀さんが平然と切り出した。


「おめェ、たまに話し掛けてるよな
母ちゃんに」

「…えっ」

「そういえばAのマミーってどんな人アルか?」
「今まで触れそうで触れなかったところですね」

「えっ急にどうしたの?」

「地球じゃ切腹して親交を深めるってパピーが」

「物騒だなおい。腹割って話すの間違いでしょそれ」


「アレって私の心の中だけで響くものなんじゃないの」

「俺たちからしたら
ぱっつぁんが劇場版で張り切って舞台設定語りだすのと大差ねーよ」

「もうその辺はこするだけこすったアルな」

「やめようよそういう夢のない話!
てかなんか恥ずかしいんで思い出させないでください!」

「遠回しだろうが喧嘩売ってるのは同じだからね新八くん?受けて立とうか?」

「前々から思ってたんですがAさんってキャラの振れ幅広いですよね」


「キャラといえば、今週のジャンプがさ…」



…話題がそれた。


お母さんのことを
思い出すのは、いつぶりだろうか。


たまに話し掛けてしまうのは
ただ一方的に、誰かに絵葉書を送るような感覚で

相手を強いて言うならば、
それがお母さんっていうだけ。



別にお母さんのことは嫌いじゃない。

むしろ、
立派で優しい人だった。


私が物心つく前にお父さんがいなくなって以来、
女手一つで私を育ててくれた。

決して裕福ではなくても生活してこれたのは
まごうことなくお母さんが
身を粉にして働いてくれたおかげ。



…でもその分、

感じる心労は大きかったんだと思う。



ある日、ぱったりと

お母さんは家に帰って来なくなってしまった。



…なんて
こんなこと、ケーキ食べながら言える訳ないもん。




「…A?」


神楽ちゃんの大きな青い瞳が
私を覗き込んでいた。

やばい、何の話だっけ。ハーブティーの話…じゃないよな。



「ん、何?」

「コロッケってパックより袋に入ってた方が美味しそうだよネ?」

「うん?うん…」



本当に何の話?



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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みけ(プロフ) - 笛さん» 毎度ありがとうございます^^ 沖田くんメインで書いてるので、銀さんには少々我慢して頂いてますw (2021年2月19日 21時) (レス) id: 85e7eab2a4 (このIDを非表示/違反報告)
- 今回の更新最高です!!!銀さんがかわいそうな気がするけどwwww (2021年2月19日 20時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» ありがとうございますっ!お待たせしております。ただいま予定が立て込んでますゆえ、もう少々お待ちください…! (2021年2月10日 18時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)
- 毎日寝る前に更新チェックしてます!!!! (2021年2月10日 1時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» コメントありがとうございます!わたしの文章でそう感じていただけることが幸の極みでございます…!精進いたします! (2021年2月7日 20時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:人魚ちゃん | 作成日時:2019年2月14日 4時

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