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16. 零れる ページ16

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「Aさん…?」


我に返ると、
心配そうな赤い双眸が私を覗きこんでいた。


優しい瞳。


お姉さん


貴女にもこんな瞳を

彼は向けていたんでしょうか。



「大丈夫だよ、行こっか」

「はい…」


「……」
「……」


会話もなくただ屯所への帰路を歩く。

さっきから沖田くんの口数が劇的に減った。

どうしちゃったんだろうか。
こんなこと、あまりないのに。


「沖田くん、どうしたの?」


沈黙に耐えきれず、口火を切ったのは私だった。

沖田くんは俯いて
じっと地面を見つめている。


「なんか、あったんですかィ。・・・万事屋の旦那と」

「え?」


言い辛そうにモゴつく沖田くん。

なんと説明するべきなのか考えあぐねていると

“すいやせん、困らせたい訳じゃなくて”
と、沖田くんが慌てて弁明する。


「・・・さっきの、2人の雰囲気
ただの知り合いにしては、その・・・訳アリっていうか」

「・・・沖田くんって、
やっぱ伊達に警察やってないね」

「え・・・?じゃあ、やっぱり・・・」

「あ、違うの。特段何かあったわけじゃなくて…」


太腿を触られて
首元にキスされた。

これ、何もなかった…ていうことにはならないよな。

言い淀んでいる間にも、沖田くんの視線は
どんどん疑念を孕んでくる。


「いやあれは…ただ教えてくれただけっていうか…
銀さんなりの優しさで…」

「…何をですかィ」

「それは、その…私が」


突然沖田くんに手を引っ張られると
あっという間に私は路地裏に引きずり込まれてしまった。

買い物袋から派手に零れ落ちてしまった中身も拾えずに。





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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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みけ(プロフ) - 笛さん» 毎度ありがとうございます^^ 沖田くんメインで書いてるので、銀さんには少々我慢して頂いてますw (2021年2月19日 21時) (レス) id: 85e7eab2a4 (このIDを非表示/違反報告)
- 今回の更新最高です!!!銀さんがかわいそうな気がするけどwwww (2021年2月19日 20時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» ありがとうございますっ!お待たせしております。ただいま予定が立て込んでますゆえ、もう少々お待ちください…! (2021年2月10日 18時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)
- 毎日寝る前に更新チェックしてます!!!! (2021年2月10日 1時) (レス) id: bff55455ee (このIDを非表示/違反報告)
みけ(プロフ) - 笛さん» コメントありがとうございます!わたしの文章でそう感じていただけることが幸の極みでございます…!精進いたします! (2021年2月7日 20時) (レス) id: 44e1804c7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:人魚ちゃん | 作成日時:2019年2月14日 4時

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