運命の人(高等部3年生) ページ12
「なるほど、彼は気さく、花壇水やり……彼女は時期エース……で」
教室の中で私は1人、メモと向き合い、次の記事について考えていた。あれから、日が経って、私のメモの中身もバージョンアップを果たしている。特に最近では魔法学院で、目立っている生徒達を取材すること。
といっても、ちゃんと許可をもらってからなのだが。
「……気になる人達、すごい増えたよね」
私はメモを見てふふっ、と口角を上げる。チェックのついた人達、きっといつか取材させてもらうんだから!
人を取材するのはとても楽しいということを再認識させられた今、諦める訳にはいかないよ。
「姉ちゃん、なんかいい事あったの?」
「ええ?そりゃ、毎日楽しいか……」
あれ、今……私に話しかけている人は姉ちゃんと?それはつまり……私はゆっくり後ろを振り向くと、調子良くニコニコ笑っている茶髪の男子がいた。
「ひぃぃ……!!」
「あら、姉ちゃん今回は気付くの遅かったねぇ」
飄々とした態度の彼と反対に私の体はガチガチになる。それもそのはず、彼はジェードといい私の弟である。そして私の天敵だ。とにかく、怖い、逆らえない、怖い。
「今日は調子いいんだよね、姉ちゃん1つ占いでもしない?」
「占い……?ち、ちょっと何いきなり、ジェードまた何かたくらんでるの?というか、あなた、ここは高等部1年の教室だよ、早く自分の教室に帰りなよ」
「いいじゃん?それくらい、今は休み時間だしさ。姉ちゃん、俺がいつも何かたくらんでると思ってるの?」
私は首を縦に深く頷いてみせると、ジェードはははは、酷いなと満面の笑みで返してくる。ジェードってば私のこと虐めてそんなに楽しいのか
「とにかく、機嫌いいんだよね、俺の占い結構当たるんだよ?……たとえば、新しい出逢いとかさ」
新しい出逢い……それって……私の運命の人がもしかして現れるとか!そんな野望が顔に現れていたらしく、ジェードは得意げに笑い、占いで使うカードを私の机に広げる。
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作者名:MIO | 作成日時:2020年1月7日 19時