黒鍵の曲譜 (ページ26)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:81,632 hit

26～安室side～ページ26

古老はすぐに戻ってきた

バーボン「あなたはあの刺青をご存知なのですか」

店員「ええ、もちろん
お話がお聞きしたいのなら１つ約束していただかないと」

バーボン「どんな約束ですか？」

店員「あの方を絶対に一人になさらないということです」

驚いた

もっと大変な約束をさせられるかと思った

不思議な約束だが彼女の情報はすこしでも欲しい

バーボン「えぇ、まあそれくらいなら」

店員「彼女のお父上とお母上がなくなったのは知っているでしょう
その時は大火事だったのですが、その時何とかAさんだけは助かりました
ですがAさんは腰に大きな火傷を負われました
その事件はどうやら作為的に起こされたもののようなのですが捜査は打ち切り未だによくわかりません
それが相当悔しかったようで忘れないように、そして犯人にいつか目に焼き付けさせると息巻いてAさんの意思でほられたそうです」

あまりのことに愕然とした

彼女が両親を亡くしたのは小さい頃と聞いている

そんな幼い時にそこまで大きな覚悟を背負ったのか

彼女を過去の呪縛からといてやりたい

店員「狼は敵には攻撃的ですが家族思いで優しい動物です
そういった意味で狼を刻まれたんじゃないでしょうかね」

バーボン「…そうですか」

そんな重い空気の中彼女の明るい声が響いた

A「じゃあ、さっきのやつとこのドレスを頂戴
裾丈をちょっと短くして
来週取りに来るわ」

バーボン「では帰りましょうか」

僕は彼女の両親の真相を調べることにした

誰が捜査を何のために打ち切りにしたのか

もし僕が警察庁の人間だと知ったら彼女は恨むかもしれない

そんなのは覚悟の上だ

評価お願いします