【鬼滅の刃】日溜まりは堕ちた【男主】 (ページ5)

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５話ページ5

家から出された俺は、呆けていた。

ばあちゃんはこちらを睨んだまま背の低い俺を見下ろしている。

「行け」

その声に俺は我に返り、落ちている風呂敷を掴んで走り出した

雪が深くなっている山ではところどころで足がもつれ滑った。
けどとにかく足を動かした。

悲しくて、辛くて、叫びたかったと思う

一緒に暮らそうと差し伸べた手を一度振り払われたくらいで一体何だっていうんだ。

見送った時、すごく寂しかった。彼に見捨てられたような気がしたから。

でもそうじゃない、彼にはやることがあって、俺とは一緒に居れないと言っただけだ。

勘違いして、勝手に悲しんでいたあの時の俺をぶん殴っていやりたい。

山をようやく下り終えると狭霧山の方へと足を向ける。

狭霧山には一度行ったことがあった、うちの家業は花売りで、家でも花を栽培しているのだがお客の要望でそこに生えている花を取ってきてほしいと言われてそれきりだが何となく覚えている。

念のためこちらに炭治郎達が通ったかを確認するため、道すがら畑仕事をしている人に声をかけた。

「赤みがかった髪の…？あー、あの頭の固い子かねえ…でも女の子は見てねえな、な？」

「んだなあ」

「竹と籠と藁さ買ってったが…」

「ありがとうございます！」

俺は礼を言うと、どちらに行ったかを聞き、また頭を下げた。

どうやら来たのは今さっきのようだ。うまく行けばもうすぐ彼らに会えるかもしれない、しかし俺は禰豆子が居なかった事が引っかかっていた。

彼女がいないのなら別人かもしれないが、確かめずにはいられない。もしも別の人だとしても狭霧山へは向かうし少し時間を食ってしまうが問題はない。

とにかく言われた道を走っていると、ひょこりと竹藪から、自分と同じほどの少年が籠を背負い姿を現す。その姿に俺は叫んだ。

「炭治郎！！」

すると前を歩いている彼がふと足を止めこちらに振り返る。

「A？！」

全力で走り、その勢いのまま彼に飛び掛かった。

「うわあ！あ、危ない！」

あまりにも勢いがついていたためか、炭治郎がよろけるが、会えた嬉しさのあまりそんなことは二の次になってしまい、無意識に彼の肩に頬ずりしていた。

居た、炭治郎が居た。よかった。見つけれて。

「どうしてここに？」

体を離し、彼の目をまっすぐに見つめた。