23話 ページ23
修行を始めて、一週間が立つ。
炭治郎よりも一か月以上遅れを取った俺は、鱗滝さんが用意してくれた山道を必死に下り、その後炭治郎と腕がもげそうなほど素振り。
真剣は一振りしかないので、俺は木刀を持ち、山下り。
片手におもりが乗っただけでうまく重心が取れず罠がなくても転びそうになる。
そして3週間も過ぎると刃物を用いた罠が増える。
転がし祭り
どんな体制になっても受け身を取って素早く起き上がる訓練。
ばあちゃんに張った押されることが多かった俺はこれは割と得意だと思った。
鱗滝さんとの一対一での特訓。
全然歯が立たない。
そして呼吸法と型というものを習う。
腹に力が入っていないと腹をバンバン叩かれている炭治郎を見て、怖気づきそうになる。
呼吸はいつでもどこでも特訓ができそうなので、常に訓練を怠らないようにするが、気を許すとすぐに忘れる。
「A、これから滝に行く」
今日から別の特訓が始まった。
簡単に言うと滝に打たれる修行だ。
釣りをしていた場所より、もっと上に登っていくとそこに滝がある。
滝と言っても小さなもので、一本の太い水が岩に叩きつけるように降っている。
「お前には今日から滝行を行う、精神統一、一切の邪念を捨てる修行だ」
その際に呼吸法は続けることを義務づけられ、鱗滝さんは来た道を帰っていく。
背を見送っていると、ふと立ち止まった。
「お前は体力も力も炭治郎に比べ圧倒的に劣っている」
それは実感していた。
炭治郎が修行を始めた時、飯も風呂もぼろぼろの状態でも絶対にしていたのに比べ、俺は飯も風呂も全くやる気になれない以前に、そこまでたたどり着けづに寝て、風呂も朝済ませるというような生活だった。
「お前には呼吸法を徹底的に叩き込む、精進せよ」
呼吸法は、全身を活性化させる効果があるそうだ。
使いこなせれば、爆発的な力が使えるようになるらしい。
体力も力もない俺は、それを確実にものにするしかない。もちろん体力の向上などにも努めるつもりだが、とにかく今与えられた事を一つずつこなす、それしかない。
俺は羽織や上着を脱ぎ、水の中へと入っていった。
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作者名:矢月 | 作成日時:2020年2月15日 13時