【ちょい必読】アイの代償 Prologue ページ2
バアアアアンッッ
「イヤァァァァァァァァァ!!!」
青空に鈍い音と少女の悲鳴が響く。
◆ ◆ ◆
一面真っ白の部屋で、一人の青年が少女に問いかける。
「キミはあの少年をアイしてるかい?」
少女は戸惑いながらもこう答える。
「うん。私はどうなってもいいから…彼だけは助けたいの。」
遠くのほうから無機質な機械音が聞こえる。
「そうか。じゃあ僕がその願いを叶えてあげるよ。」
少女は意味が分からないとでもいうように、顔をしかめる。
「そんなに警戒しないでくれ。僕はあくまでも彼を助けるために話しているんだ。」
「…どういうこと?」
「事故に遭ったあの少年は、瀕死状態だ。もう助かる術はないだろう。」
その瞬間少女の顔がゆがむ。
「だけど、キミの体のうち、どこか一部を代償として払えば、彼の命を助けてあげるよ。
代償はなんでもいい。腕だろうと、足だろうと、感情だろうと、記憶だろうと。
キミが好きなのを選んでくれ。…ただし命はダメだよ。そんなことをしたら、この意味がなくなっちゃうからね。
あと、代償を払った代わりに、キミには些細な魔法をプレゼントするよ。」
部屋に静寂が訪れる。
少女は青年に質問した。
「本当に、…を助けてくれるの?」
「もちろん。当り前じゃないか。で、どうするんだい?」
少女はうつむいた顔を上げて、決意したような声で言う。
「私は…
・
____を代償に払う。」
「そうこなくちゃ!さぁ急いで。彼がもう危ない。」
青年はいつ現れたのか、それとも元からあったのかわからないドアの扉を開ける。
「今は時間がとまっているんだ。キミがここを通れば、元の世界に戻るし、また時間が動き出す。」
少女はうなづいて一歩踏み出す。
「ありがとう。」
「いいえ。お安い御用さ。それじゃあね。」
青年がドアノブから手を放す。
ゆっくりとゆっくりと閉まり始めるドア。
ドアが閉まった瞬間、少女は光に包まれた。
◆ ◆ ◆
バアアアアンッッ
とある交差点に鈍い音が響く。
少年と車が接触したのだ。
近くにいた者たちはすぐに接触したところへ向かう。
あんなに大きく事故が起きたから、もう助かっていないだろう…
と誰もが思っていた。
しかし、少年の上には、まるで少年を守るかのように一人の少女がかぶさっていた。
一人の女性が救急車を呼ぶ。
人々はその場に立ち尽くした。
そして一人の男性がこう言う。
あんな子いなかったはずなのに、と。
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薙(nagi) - 参加いいですか? (2019年3月19日 22時) (レス) id: 43e3ad1e0e (このIDを非表示/違反報告)
閻魔あい - イヅナさん» い っ ぺ ん 参 加 し ま す 。 (2017年10月26日 22時) (レス) id: 2eb7e49df6 (このIDを非表示/違反報告)
夜大好き! - あの、16女子で参加していいですか? (2017年9月22日 22時) (レス) id: e09e774fd8 (このIDを非表示/違反報告)
アザミとヒマワリ - 女、17歳で参加希望です (2017年8月18日 7時) (レス) id: 693a45f20e (このIDを非表示/違反報告)
星羅(プロフ) - 女、20歳で参加希望です (2017年8月10日 22時) (レス) id: ac2d896729 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:イヅナ | 作成日時:2017年7月16日 22時