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ひるさがり ページ1
とある日の昼下がり、ラグの上でころころと転がる娘の姿を見てつい頬が緩む。日菜は美味しいのかはわからないがずっと自分の足を食べている。身体が柔らかいことが素直に羨ましい。
すると、そんな彼女がこちらに目を向けてきたかと思うとニコッと笑いながら手を伸ばしてくる。たまらず横に寝転んで話しかける。
阿「どしたの〜？かわいいねぇ」
言葉にちゃんと反応してあうあうと一生懸命おしゃべりするものだから愛おしさがつのる。
そんな会話らしきものを数分続けていると、不意に日菜がめいいっぱい腕を伸ばして抱っこをせがんできた。阿部が「抱っこしてほしいの〜？」と聞くと、抱っこという言葉に反応してさらに腕を伸ばしてくる。
しかしすぐには要求に応えずに起き上がって、柔らかい髪を撫でる。こういうところがブラック阿部ちゃんって言われるんだろうなぁ、と阿部は苦笑した。
その間にも必死に腕をこちらに伸ばしている日菜。流石に可哀想になってきて柔らかいその体を持ち上げ、目が合うように自分の膝の上に乗せると、なんとも幸せそうにニコニコしている。自分も頬が緩むのがわかってそのまま日菜を包むように抱きしめると腕の中でキャッキャと喜んでいる。
阿「これが幸せなのかなぁ」
と、穏やかな日差しが差し込む部屋で、阿部は独り言を洩らした。
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作者名：いづは | 作成日時：2024年12月22日 0時
