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「ふーん。……じゃあ、もう一周行こう。好きな異性のタイプは?」

 「は? 何その質問。あー、じゃあ、優しい人?」


 「うーん、好きな食べ物、とか?」

 「葛餅かなあ。これ聞いて意味あるの?」


 「じゃあ、趣味は?」

 「上司絶対主義なのね、皆さん。……そうだな、裁縫かな」


 「長所と短所……」

 「真面目に聞こえるけど、空気は読んでるね。長所は割と冷静なとこ。短所は面倒ごとに巻き込まれやすいとこ。今まさにその状況」


 「猫派? 犬派?」

 「お兄さんはまともだと思ったんだけどなあ。猫ですね」

 「結構楽しいね、これ。じゃあ、3周目は止めて、私が最後ね。


 君、白夜(びゃくや)でしょ」

 一気に空気が変わった。驚き、緊張、少しの恐怖。私は繕うことをしなかった。

 「まあ、昔はそんな呼び名もありましたね」

 「白夜って!」

 「落ち着け尊奈門。ええと、今はAだっけ。認めてくれてありがとう。白夜と言えば8年前に活躍した忍だ。初めに流れた噂は、豊前の悪城を一夜にして落としたこと。その後も各地の悪城を滅ぼし、半年でその数は12だったかな」

 「11です」

 「ふふ、謙虚だ。豊前からその進路はだんだんと東に上ってきたが、美作で噂が途切れた。死んだと言われていたが、まさか生きていたとはねえ。しかも、齢26の女だったとは」

「くノ一だということはバレていなかったんですね。というか8年も前のことをよく覚えていらっしゃる」

 Aの言葉を受けた雑渡の目がニヤリと細められる。

 「そりゃあ当時はうちの城にとっても脅威だったからね。押都のとこの若いのが毎日情報収集に奔走していたな」

 雑渡がちらりと仮面の男ー押都長烈ーをちらりと見た。

 「ええ。ですが、情報はとても少なかったんですよ。たまに戦果の報告が上がるが、それ以外は空白。諜報部隊の小頭としては、いつ首を切られるかヒヤヒヤでしたね」

 「有名人にはなりたくなかったから、入念に情報を消してましたもの」

 「ふーん? じゃあ、なぜ急に姿を消した? いや、そもそも何が目的で城潰しをしていたんだ?」

 「なぜそれをあなたに言わなければならないんです?」

 挑発的に返すと、空気が凍るのが分かる。しかし部下の放つ刺々しい殺気を片手で制し、雑渡はにやりと目を細めた。

 「君は無意味な抵抗はしないと思ったんだが、読み違えたかな?」




〜〜〜〜〜

続きます

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スイちゃんのご友人のご友人 - 更新待機 面白かったです (2023年2月3日 1時) (レス) @page7 id: 5ad601e96f (このIDを非表示/違反報告)
水無月弥生(プロフ) - 更新楽しみにしています!これからも頑張ってください。 (2020年4月4日 19時) (レス) id: 9fe8b56f99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十夜 | 作成日時:2020年3月24日 23時

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