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今、いたよね……？
いや、あれ絶対そうだよね！Aだよね！？
嬉しすぎて、リレー勝てそうな気がする。
まだ時間あるよね。
声かけてみようかな。
近づこうとして、放送が流れた。
『続いて、3年生全員によるクラス対抗リレーです』
「生徒、入場！」
あああああ……
行けなかった。
でもいい。俺のいい所見せてやる！
走る姿、見えるかな。
恥ずかしいけど、これが精一杯。
って思ったら、Aの真反対のトラック半分で走る。
絶対見えないじゃんこれ……
でも、2位でバトンを渡された俺は、
1番手を抜かしてゴール。
アンカー気持ちいいなぁ。1位取れたし。
制服、似合ってる。
夏は青いスカートなんだね。
セーラー襟って言うのかな、あれ。
なんだろ、可愛かった。
制服もだけど、何よりAが。
でも戻ると、もうそこにはいなかった。
「あれ……A？」
一瞬見たAは、幻だったのか……？
妖精のようにやって来て、すぐ消える。
雪のように、いなくなってしまって。
神様は意地悪だ。
本当にこの恋は、終わってしまったのだろうか。
せめて、Aの気持ちだけでも、聞きたかった。
Aが通う学校くらいなら、友達から聞けるかな。
文化祭とかあるなら、行ってみてもいいけど、
なんだろう。
もう、終わらせなきゃいけないのかな。
引きずっちゃダメな事くらい、分かってる。
もう3年も経ったんだ。
校庭に立ち尽くす俺は、
もうそこにはいない影に
ちゃんと、さよならを言えた気がする。
素敵な想い出をありがとう。
これからもし、他に好きな人が出来たら、
ちゃんと伝えるから。
言えなくて、ごめん。
本当にありがとう。
私こそ、ありがとう。
この恋は、わたしを強くしてくれた。
ドラマや漫画みたいに、
大人になって再会なんて、ないと思うけど、
ずっと大好きだったから。
俺も、大好きだった。
なにこれ、こういうのって、両片想いって言うの？
えっ知らない。そうなの？
そうらしいよ。
へー初めて聞いた。
俺らそうだったんだね。早く言えよ。
うるさいなぁ笑
勉強しかしてなかったの！初めてなんだし。
まあ、これからもよろしく。
うん、大好き。
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作者名：明音 | 作成日時：2016年12月26日 17時
