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「おい」
「ぅにゃ……」
「最後の日まで寝んのか笑」
「録画したドラマ一気に見て夜更かししてきた笑」
「おいおい」
「えへへ」
あーもうなんなんだよ!
なんでこんなに好きなんだよ
訳わっかんねー
「臨ーー」
「ふぇ」
「もう移動だって」
隣の子に呼ばれて起きる
あ、俺も寝てたわ笑
Aのこと言えないなぁ
独り取り残された教室
いちばん綺麗なキミの机
時が止まればいいのに
このほんの少しでもいいから
そしたら
誰の目も気にせず、二人きりの世界で
思いきり叫べるのにな
でも、違う制服を着たAも見てみたい
少しだけ、俺の方が高くなった身長
目線が下がって、なんか嬉しい
俺が女子を見上げるのって、カッコ悪い
よし、言おう
当たって砕けよう
小学生最後の想い出は
絶対に、キミがいい
キャンディーみたいな雲に誓って
教室を出た
「あーーー臨!!」
「A?」
「おっっそい!笑」
「ごめん」
「もう、早く行こ」
ぷりぷりして先を急ぐA
脚は俺の方が速いんだ
走って腕を掴んだ
「えっ!??」
「A」
「……なに…?」
掴んだのはいいんだけど、
どうしよう
このあとの動き考えてなかった
「なに、遊ぶのは後でねっ」
「あっちょっ」
妖しげに微笑みながら、かわされてしまった
卒業式は、3分遅れて始まった。
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作者名:明音 | 作成日時:2016年12月26日 17時