同居人はユーレイです。【青】

ghost.19 ページ19

とある平日の昼下がり。

私、Aは、いつものようにころんくんの身体を借りてご飯を食べてきた。


今日は回転寿司に行ってきた。

これも「やり残したことリスト」のうちのひとつ。

実は私、回転寿司に行ったことがなくて…。


回らないお寿司なら何度も食べたことがあるんだけど、親が「安い寿司はダメだ」とか何とか言って、回転寿司に行くことを許してくれなかったんだよね…。


それをころんくんに言ったら「自慢か！？」って言われちゃった…。

別にそんなつもりは無かったんだけど…。

でもやっぱり、嫌味に聞こえちゃうよねぇ…。


……あれ、ていうか、ころんくんって私の家がそこそこお金持ち(自分で言うのもなんだけど…)だって知ってたっけ？

もしかしてるぅとくんとかから聞いたのかな。


まぁ、いっか……。

ころんくんにはいずれ話そうと思ってたし。




お寿司も食べたし、さぁ今日はもう帰ろうと道を歩いていると、突然背後から「あれ、ころん？」と声をかけられた。

振り返ると、そこに立っていたのはオシャレでイケメンな男の人と、るぅとくん。


るぅとくんは分かるけど、もう一人は誰…！？

あ、もしかして、"すとぷり"のメンバーさん！？


えっえっ名前分からないどうしよう！


あたふたしていると、イケメンさんが「どした？」と訊いてきた。

あぁ、まずい！なんとかこの場を乗り切らなくては…！



「……ヤ、ヤァ。キグウダネー」

「お、おう…そうだな…。
　なんかカタコトだけどどうした？」

「エ、エー。ソンナコトナイヨー」



ダメだーーー！！分かんない！！！

ころんくんっていつもどんな話し方してるっけ…！？

私はどうにか頑張って、ころんくんとの会話の記憶を捻り出そうとした。



頭の中でフラッシュバックするころんくんとの会話の数々…。


＿＿＿「A〜、リモコン取って〜」


＿＿＿「やっぱ家具には金かけるべき！」


＿＿＿「お前フードファイターなれるよ！」



……ダメだ！ろくな会話がない！！

てか最後のセリフは何！？フードファイターならないよ！



ど、ど、どどどうしよう…。


……あ、そうだ！るぅとくん！

ころんくんはるぅとくんに「やり残したことリスト」のことを全部話したって言ってた。

私がころんくんに乗り移れる話も知ってる。


るぅとくんに、気付いてもらうしかない…！

私はもう睨むくらいの勢いでるぅとくんに視線を送った。


お願い、気付いて〜〜〜！！
　

ghost.20→←ghost.18

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す