【ONEPIECE】悪運も実力のうち。 (ページ3)

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003 - 抵抗ページ3

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一段と低い声で鼓膜をくすぐった、その言葉の意味がわからないほど子どもでもないのである。

平常心を保つよう何度も自分に言い聞かせる。掬うように私の顎を持ち上げ、彼の薄い唇から這い出た舌が艶めかしく舌舐めずりをしようとも、鼓動が早るのは死にかけの体を生かすために心臓が錯乱しているだけだ、と。

両脚の間に膝が割って入ると、自分でも制御できない甘いだるさに腰が跳ねた。そのまま無遠慮に押し付けられて、痛みとはまた違った、痺れにも似たような感覚が駆け上がってくる。

酸素を求めるようにはくはくと動かされる私の口をめがけて、ドフラミンゴはゆっくりと顔を寄せた。

落ち着いて選択を。できる限りの抵抗を。
確実にチャンスを手繰り寄せるために。

ゴッッッッ！！！

写真機のシャッターが降りるように。
目の前に稲妻が落ちてくるように。
激しい衝撃に脳が震盪すると、瞼の裏で閃光が散った。

(またか貴様、気まぐれに軍艦を沈めるのはこれで何度目だ！……待て、その海兵は？)

(フッフッフ！実力のねェ海兵坊主どもに、いい刺激を与えてやったのさ！なァ、センゴク。そんなことより、この女をおれによこせ…！)

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「ご気分はいかがですか」

上半身を軽く捻りつつ『ぼちぼちかなあ』と曖昧な返事をすれば、コビーは困ったように眉を下げて笑う。

元の肌の色に馴染んできた薄ピンク色の傷痕も、この頃には痛みから痒みに変わっていた。あと2,3日もすれば包帯も全て取れて、戦線に復帰できるまでに回復するとのことだ。
ここまで丈夫な体に産んでくれた両親には感謝しかない。なにがなんでも成人式には振袖を着てやろうと決意を新たにした。

「あなたが無事で、本当によかったです」

何度目かも分からないセリフが、何度でも胸に沁みる。
時間をつくっては見舞いに来てくれる彼にも、もちろん感謝を忘れていない。

私の知らないところでアレやコレや言われている様子だったが、あの船で何があったのかを直接追求する人間は稀であった。
あまり刺激しないことで回復だけに専念してもらうよう、気を遣ってくれているらしい。マリンフォードからG-2支部へ移送されたのもそういうことだろう。

たしかに乗組員が自分を除いて全滅したと聞けば胸がすく思いではある。それでも、いつまでも引きずっているようでは、いよいよ海軍なんてやっていられない。

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