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「五番道路が通行止め、となると、残るルートは……」
シルフォスは、地図を取り出して広げてみせる。
「一つは、このまま北上して七番道路経由で、モウラジャンクションへ。
もう一つは、西へ進む、一番道路ですね。どうしましょうか？」
「ううん……大きな町に繋がってるのは、北側なんだけど……一番道路っていうと、カラーノタウンに繋がってるやつだよね？たしか、どくタイプのジムがあったっていう＿＿＿＿」
「どくタイプの、ジムリーダーさん……！一体、どんな人なんだろう……！」
わいわいと、ああでもない、こうでもないと、議論を交わす三人。会って数時間しか経っていないのに、この打ち解け様。薄ら感じていた不安も、杞憂に終わりそうだと、ルラ博士は胸を撫で下ろした。
「その二つなら、オイラのおすすめは、一番道路だな〜、少し長い道だけど、その分きちんと整備されているとは思うんだぁ、旅の初心者には、間違いないと思うぞ〜」
三人は、目と目を合わせた。
どうやら、みんな同じ意見らしい。
「よぉし、それじゃあ、行き先が決まった未来キッズたちに、オイラ
博士は、大きなカバンから、3つ、茶色い箱のような物を取り出した。
スマートフォンのような大きさのそれは、カメラのようなレンズが取り付けてあり、透けたプラスチックのボディから、内部機構が少しだけ見えるようになっている。
「わっ！これ、ちょっと前にママが、設計図持ってたやつ！」
「なるほど、フィルム機構とオンラインネットワークをこんな小規模に……相当洗練されていますね……」
既に夢中になっているレイナとシルフォス。
対照的に、ニオはどこか浮かない表情をしていた。
「ぼ、ぼくにまで……いいんでしょうか、こんな良いもの、……これ、ポケモン図鑑ですよね……！？」
不安そうなニオ。ルラ博士は、もう一度ニオに、ポケモン図鑑を握り込ませた。
「むしろ、使って切れた方が、図鑑も喜ぶだろ〜？それに、イマドキポケモン図鑑なんて、スマホで事足りるって人が多いしなぁ……試作機だし、遠慮なくもらってくれよ〜！いやぁ、レナさん＿＿＿レイナちゃんのママから、“予備を持っていけ”って電話で言われて、正解だったよ〜！！」
ほわほわと笑うルラ博士に、ニオは頭を下げる。
「あのっ……！これ、ありがとうございました……！」
「うん……みんな、気をつけて行ってくるんだぞ〜！！！」
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作者名：じぇっと | 作者ホームページ：明日のストラナでお会いしましょう。
作成日時：2024年12月24日 23時
