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「みんな。お疲れ様です。そちらの方の首尾はいかがでしたか？」
ガランの問いかけに、テマリたちが答える。
「……私の方は概ね、会長の想定通りといいますか、やはり尻尾は掴ませませんでした」
「わたしの方も、同じくです……。マシロちゃんは確か、あの後ニューリィシティまで飛んできたって聞きましたけど、何かわかりましたか？」
「レイラさんもですか……いいえ、私の方も、全く。拘束できた団員も、下っ端だった上に、暴れて話もできませんでした！そのまま、現地にいたジム職員の方に引き継いで、とんぼがえりですね……ああもう、用心深すぎます！」
「……私も、あんまり……。…………、…………」
四天王は各々、暗い顔で報告する。その表情を見回し、ガランは一呼吸おいて、とあるメモリのようなものを取り出してみせた。どうやら、これがガランが掴んだ“収穫”らしい。
けれど、その顔はあまり晴れやかでは無かった。
「まずは、遅れながら、今回の遅刻をお詫びしておきます。その上で、コイツを見て＿＿＿＿＿＿いや、聞いてほしい。と言っても、私共も解析が終わってから急行したので、内容は確認できていないのですが」
それ自体は、よくある市販の量産型で、なんの変哲もない、銀色の金属カバーに包まれた、ただの情報記録装置だ。それを、ガランは、あらかじめ起動してあったPCに挿し込む。
「＿＿＿＿＿＿っ…………」
しばらく読み込みのための待機時間をおいて、それはようやく、プロジェクタースクリーンに像を結んだ。
その場に居た数名が、息を呑んだ。
ファイル名は＿＿＿＿＿＿
「……《Dear.League members:To champion》……？」
「え、ええと、でぃあ……？それって、どういう＿＿＿＿＿」
困惑する空気が、凍りつく。静まり返った会議室に、一斉にどよめきが走る。
驚き、戸惑い、あるものは怒りすら覚えたのでは無いか。
ノイズ混じりの音が、段々と安定していき、あどけない少年の声が、浮かび上がってくる。
『あー、あー。テス、テス。』
そんな緊迫感で満ちた空気とは裏腹に、チープな音質に声を乗せている少年は、どこか陽気だ。
声変わり後にしては、やや高い声。
特に、この場に集う面々には、聞き慣れた、その声の主は＿＿＿＿＿＿
未だ沈黙を貫いていた、フェアリータイプの四天王は、困惑して彼の名前を呟く。
「＿＿＿＿＿＿イロ、ハ……くん……？」
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作者名：じぇっと | 作者ホームページ：明日のストラナでお会いしましょう。
作成日時：2024年12月24日 23時
