金髪×天使 ページ12
私が監視を命じられた一人の男。
分厚いガラスの向こう側、独房に佇む彼。
絹のような金色の髪。
形の良い唇。
透き通るような白い肌。
長めの前髪から覗く、宝石のような黄緑色の瞳。
それはそれはとても美しい男。
・・・だが。
_______彼の瞳に映れば、一瞬で心奪われる。
人々は彼をこう呼んだ。
「天使のような悪魔だ。」と。
時は2500年。全てのものが科学によって解明されようとしているこの時代に、
瞳によって相手をコントロールするという、
特殊な能力を持った美しい彼が国の目に留まらないはずが無かった。
彼は囚われ、国の特別研究所内のこの独房に。
しかし、一つだけ問題があった。
監視役がことごとく彼に骨抜きにされていくのだ。
男も、女も。
彼によってコントロールされ、独房の鍵を開けそうになった者や、
殺され・・・はしないものの、死にかけた者も。
私の前の人は・・・何で監視を出来なくなったかは忘れちゃった。
まぁとにかく。
そんなこんなで監視役が私に回って来て。
「気を付けろ。」って上の人から言われたけど、どうすればいいんですか。
目合わせるなってか。無理だっつーの。
心の中で文句を言いながら、独房の前に着いて。
「・・・成瀬です。開錠お願いします。」
そして私は重たい扉を開く。
美しい彼は、私に背中を向けていた。
「・・・今日から担当になりました。成瀬Aです。よろしくお願いします。」
その背中に一応挨拶をして、頭を下げる。
すると。
彼がゆっくりこちらを向こうとしていた。
私はゴクリと唾を飲み込んだ。
一体これから、何が起こるのか。
私はどうなるのか。
＿＿＿彼の瞳が、私の顔を捉える。
.
「・・・あ、れ。」
手が、足が、自分の意思で動く。
私に瞳の能力は効いてない?どうして?
動揺する私。
そのとき気付いた。
美しい彼が見惚れるほどの笑みを浮かべていたことに。
ともすれば、動揺する私をあざ笑うかのような。
「＿＿＿＿っ!!!」
あまりの美しさに息を呑む私。
そして。彼は、
.
「・・・見つけた。」
全て彼の、計算通りなのか。
貴方は一体・・・。
end.
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作者名：なるせ* | 作成日時：2018年5月16日 4時
