【H×H】氷姫は仰ぐ

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『とりあえず！作戦を練り直そうよ』


Aの言葉に一瞬押し黙ったかと思えば、すぐさまゴンが大口を叩いた。


「よーし勝負だ!!」
「おー、やったら」


オークションまでの残り二週間で、だれがいっぱいお金を稼げるか。
もし負けたら勝った方の言うことを一つ何でもやる。


『え？』
「いちについて、よーい」
『……え？』
「ドン!!」


そう言い終わるが早いか、顔を突き合わせていたゴンとキルアは反対方向へと駆け出した。
取り残されたAは開いた口が塞がらない。


『嘘でしょ!?』





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さて、どうしたものか……
二人の行動はさておき、このまま勝負に負けるのも癪に障る。


Aはプロハンター専用サイトのアドレスを片手に行動を開始した。





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そして二週間後――
同じ広場で顔を合わせた三人。Aはほぼ二倍に増えた通帳の残高をゴンとキルアに見せつけた。


「……マジ!?」
『言うこと一つ聞いてもらうからね！』


にっこり。有無を言わせない笑顔だった。





「ちぇっ、オレだって途中まで2億86万だったのに」
「でも、今は無一文じゃん」
「二週間で１万５千の収入の奴に言われたくねェし」


ゴン→543万4997ジェニー
キルア→0ジェニー
A→1083万ジェニー


三人の金額を合計すると、結果的にプラス4997ジェニー。
ほぼ増減０、ただ時間を浪費しただけである。


目標金額まで88億8373万5003ジェニー。あと数日で稼ぐのは、とても現実的と言えない。そのうえ、オークションとなるとこれ以上の金額を持ち合わせていなければならないだろう。

考えるだけで頭が痛い。





いまだ隣で納得いかない表情のキルアを一言で突っぱねるA。


『博打で一発当てようとするからよ』


上手くいけば12倍で入っていたのに――賭けに負けて全額失ったキルアは、疎ましそうにAを見た。


「そう言うお前はどうやったんだよ!?」
『地道な労働に決まってるじゃん！』



えっへんと胸を張ったA。三人の中で一番生きる力があるのは意外にも彼女かもしれない。

pudding→←ヨークシン

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