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「そういえば、クラピカはどうしてるんだろう」
ゴンが言った。再会の約束をした彼もヨークシンに来ているはずなのに、一向に連絡がない。
ゴンは携帯電話を取り出し、電話をかけた。しかし、しばらく待って聞こえてきたのは、相手が電話に出られないことを告げるだけの無機質な自動音声だった。自動的に留守番電話サービスに繋がるだけで、クラピカの声を聞くことは叶わなかった。
『仕事中かな』
「あいつ一体何の仕事してるって?」
「ボディーガードって言ってたけど」
レオリオの問いにゴンが答える。クラピカは緋の眼の行方を追うため、オークションにコネのあるマフィアに近付くのが目的だろう。Aも、それ以上の情報は分からない。
「その人の護衛で地下競売に行って、事件に巻き込まれたのかも……」
ゴンの一言で不安が膨らむ。彼は無事だろうか。Aは心配そうに眉を下げた。
「巻き込まれたってのは正しくねーぜ。相手が旅団ならあいつは積極的に介入するはずだからな」
レオリオは「すでに団員の二、三人は捕まえてるかもしんねーしな!」と冗談めかして笑うが、Aの表情は晴れなかった。
『……そうだね』
そんなとき、黙りこんでいたキルアが口を開いた。
「親父がさ、仕事で旅団の一人をやってるんだけどさ」
「何!?」
唐突に告げられた新事実に、三人は目を見開く。
「珍しくぼやいてたんだ、"割に合わない仕事だった"って。それって敵に対する最大の賛辞なんだけどさ」
今から三年前、父シルバから"旅団には手を出すな"と忠告されたとキルアが続ける。つまり、プロの暗殺者が釘を刺すほどの相手だということ。
「その話、クラピカにしたか?」
「してないよ。意味ないし」
レオリオの問いに、キルアは首を左右に振った。確かに、クラピカの復讐への決意は誰かに止められるほど柔くなかった。
「問題は、オレ達がどうするのかってことだね」
「そゆこと」
「オレやるよ」
ゴンは拳を固く握った。その瞳には決意がみなぎっている。
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冬瀬(プロフ) - つんつんさん» いつもコメントありがとうございます!他作品と被らない展開にしたいと思って試行錯誤してるので嬉しいです!!ヨークシン編途中ですが、ここで続編に移行します。続きも楽しんでもらえると幸いです! (2022年1月16日 6時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
つんつん(プロフ) - 今まで結構な数のハンタ夢小説を読んできたと思っているのですが、このパターンは初めてですごい新鮮味があって続きが気になります!次回も楽しみにしてください! (2022年1月16日 3時) (レス) @page44 id: 6a1440072c (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - つんつんさん» 反応が速い!? 早速すぎてびっくりしました。めちゃ嬉しいです!次回は来年更新しますね〜!つんつん様もよいお年を。 (2021年12月29日 17時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
つんつん(プロフ) - きゃぁ〜!やばいですね夢主ちゃんカッコ良すぎます。こんなんなったらキルアもゴンも惚れちゃいますね私は惚れました。2021年夢主ちゃん大活躍で終われそうでもう何も悔いはないです。そして!またまた良いところで終わりましたね〜!続きも楽しみに待ってます (2021年12月29日 17時) (レス) @page41 id: 6a1440072c (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - つんつんさん» いつも感想ありがとうございます!続き更新しました〜。夢主活躍回!ぜひご覧ください (2021年12月29日 16時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:冬瀬 | 作成日時:2019年6月24日 0時