【銀魂】左 遷 さ れ ま し た 。

一飛び ページ3

とある快晴の日。


天気と同じく江戸の街は平和である…………






……とは限らなかった。



｢全員動くな!!!｣



私、『霞原 A』は江戸のとあるレストランでコーヒーを優雅に嗜んでいた。


その結果がこれだよ。


基本的に私は人混みの中が嫌いだが、たまにふらっと外に出かけることがある。


その度に何かしら事件に巻き込まれる始末だ。


自分の運のなさを呪うべきか、はたまたくだらない犯罪を起こす様な阿呆を恨みながら殴りつけるべきか……


よし、殴ろう！…と簡単に殴りに行くほど私は脳筋でもなければ、短期でもない。


レストラン内でもサングラスをつけるというある意味での奇行をしていた私はひょっこりと、席から怒号が聞こえた方を覗き見る。


灰色のパーカーにマスクとサングラス、手には小刀と人質らしき女性…完全に強盗だな。


さて、どうするか…と神妙に考えようとしたら『ペロン』とかいう間の抜けた音を出して携帯が鳴る。


この張りつめた空気の中『ペロン』とかいう間抜けな音、雰囲気ぶち壊しである。


そして私はそんなことを考えつつメールを読む。強盗や他の客が凝視しているが知らない、何も私は見てない。


あ、クソ上司……長官からだわ……。


『車壊れたんだが、どうすりゃいい』


否、知らねーし。つか、どんだけ鬼畜な内容だよ、喧嘩売ってんのかな。


「おい！お前何やってんだよ!!何勝手にメール見ちゃってんの、何勝手なことしてんの!!!｣

『煩いな、車壊れたとか知らねーし強盗とか知らねーし』

「いや今お前の前に居んのが強盗だよ！俺が強盗ですよ!!!」

『つかよく車壊せるな、何やったら壊せるの、仕事しに行くだけでなんで車が壊れた？ゴジ〇でも出たのか？え？そりゃあ一大事だな』

「お前さっきから何言ってんの!?」

『えッ』

「えッ？」


携帯画面から目を外して前向いたらサングラスとマスクが見えた。あっれー、どっかで見た、今さっき見た、あ…………



強盗いたんだっけ？


数秒の沈黙の後私はマスクとサングラスの境界部を思いっきり殴りつけて捕まっていた人質を安全なところに押しやり、強盗の関節をキメる。


はい、終了。はい、呆気ない。

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