喧嘩 ページ17
「僕が怒ってる理由わかってるの？」
こんな鋭い目をした出久は初めてだ。それほど俺はやべぇことをしちゃったんかな…。
「ご、ごめん。実は、わからなくて…」
「…まあ当たり前だよね。大丈夫だよ。僕もAならわからないだろうなとは思ってたし」
さりげなく俺の事馬鹿にしてやがるな。ちょっとイラついたぞ今の。
「でも、Aは許して欲しいんだよね」
「…う、うん」
「それじゃあさ、一つだけ僕の言うこと聞いてよ」
出久にしてはそういう願い事なんて滅多に言わないから珍しいな。
とりあえず俺は「聞けるやつならね」と言っておく。なんとなくだけど、嫌な予感がする。
出久の口から出てくる言葉に身を構えた。
「かっちゃんとはもう、金輪際関わらないようにしてよ」
「…え？」
一瞬その言葉が本当に出久の口から出てきたものなのかと、顔がこわばるほどの驚きだった。
心臓がバクバクと鳴り止まなくてうるさくて、仕方がなかった。口も震えてしまって言葉が出ない。
＿＿＿どうすればいいの、俺。
「…なんだ、お前らもう来ていたのか。効率的な点は評価してやる」
無言できまづい雰囲気が流れる中、相澤先生が他のクラスメイトを連れて歩いてきた。それに気づいて俺はハッとした。
…何迷ってたんだアホ。そんな答え…決まってるだろ。
「…出久」
そう呼びかけてから出久の目をしっかり捉える。それからまた相澤先生に聞こえないように近くまで寄る。すると何故か出久は「へ？」と顔を少し赤くしていたが。
「…あのさ、俺そういうのはちょっと聞けないんだよ」
「そんな頼み事なら俺は、仲直りしなくても別にいいと思ってるから」
肩にドン、とわざとぶつかって耳元で呟いた。出久がどんな表情していたかはわからなかったが、そのまま俺は距離をとるように離れていった。
「…Aは優しいなぁ。でもそれがうざいな。僕よりかっちゃんをとるなんてさ、ほんとにありえない。君には怖い目に合わせないと駄目みたいだね」
俯いているために前髪の内側に出来る影の中、絶望に染まった目を光らせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 410人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななな - やっばい。ヤンデレ可愛すぎかよおおおおおおお！！更新停止中かよおおおおおお(泣) (2019年9月12日 20時) (
レス) id: eb9d7d52b6 (このIDを非表示/違反報告)
しいたけ - やばいヤンデレデク無茶苦茶タイプ (2019年8月23日 14時) (レス) id: 76efca60e0 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 最高です！これからも更新頑張ってください！ (2019年6月14日 19時) (レス) id: 57d4f6c443 (このIDを非表示/違反報告)
(･ω･)(プロフ) - ゼロさん» まあ、これからまたどういう展開になっていくのかをぜひお楽しみくださいー！ (2019年5月25日 23時) (レス) id: 40f7b4a37b (このIDを非表示/違反報告)
ゼロ(プロフ) - な、なんだってー！ (2019年5月23日 16時) (レス) id: 75173a0bdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：(・ω・) | 作成日時：2019年4月6日 23時
