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「それで…なにか用事ありましたか？」
「お、おー…。一緒に帰ンねェか？」
「へ、」
そりゃもうびっくりした。
今までこんなお誘いを受けたことはなかったし、相手はましてや好きな人だ。
「いやならいいンだけどよ」
「いやじゃないです！い、一緒に帰りたいです」
「じゃ、帰ろうぜ。ジャージ着替えてこいヨ」
「はい！」
「えーーーー、荒北さん、俺はぁー？」
荒北さんの背中に飛び乗り、そう叫ぶ真波くん。
荒北さんは真波くんを振り落とそうとするも、真波くんは思いのほかガッシリ捕まってるらしく
それが上手くいく様子はない。
「っせ！おめーはまた今度だ」
「仲間外れですかー？寂しいなぁ」
「いいから降りろ。おめーんだよ！」
「なんの話するんですかぁ？」
にこ、と笑う真波くん。
そしてちらりと横目で私を見た。
「さァな。まぁおめーには言えねェ話だな」
「………ふぅん？」
「…ンだよ」
「や、告白かなぁって思って」
思わず身体が固まった。
何言ってんの真波くん…！そう言いたいけど口が動かない。
慌てて荒北さんを見るも、荒北さんは一言も発さず真波くんを見る。
「…真波てめー、」
「はい？」
「…いや、なんでもねー」
「あは、なんですかそれぇ。で、何の話ですか」
「それをてめーに言えねェからAチャンと２人で帰るっつってんだロ」
「わぁ、嫉妬しちゃうなぁ」
くすくすと笑う真波くんに、荒北さんは「あぁ゛？」と返す。
真波くんは荒北さんの背中から飛び降りる。
もう私はどうしたらいいのかわからず頭はパンクしていた。
今、私、え、もう、何をすればいいの？
「俺、Aさんのこと好きだから嫉妬しちゃいます」
「…ずいぶん素直に言うじゃなァい」
「でも、荒北さんなら知ってたでしょ？」
「まァ、そーゆー匂いはしてたけどよォ」
「さっすがー」
からからと笑う真波くんに、なんとなく私は冷や汗が出るのを感じた。
なんだろう、なんかこの場にいるのはとても気まずい。
「あ、あの、荒北さん、そのお話…早く聞きたいです。私着替えてきますね。
真波くんはまた今度一緒に帰ろうね」
「えぇ〜…まぁ、今日はいいですけど…絶対ですよ」
むくれる真波くんと指切りをして、それが終えるといそいそと女子更衣室へ行く。
あの場から抜け出せたことに息をつき、そして
「(荒北さんと帰るんだ…)」
鏡を見ながら、リップを塗り、髪を整えたのだった。
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桃(プロフ) - さゆりん★さん» ご愛読と応援ありがとうございます！展開が気になる、と仰って頂けると、どう書こうかなぁ、と先を書くのが楽しみになります。荒北さん素敵ですよね、今度荒北さんの小説書こうかなぁ…。キャラの性格と言葉は気を使っているので着目して頂けたのが嬉しいです(^^♪ (2019年6月11日 21時) (
レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
さゆりん★(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！！いつの間にか次ボタン押していて、一気に読んでました… 展開がものすごく気になります！！真波くんは可愛いけど、私はちょい荒北押しかも… キャラの性格も言い方ぴったりすぎて、普通に声優さんの声が聞こえます (笑) 応援しています！！ (2019年6月11日 13時) (レス) id: 269cb7a691 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 陽愛さん» 初めまして、ご愛読と応援ありがとうございます(#^^#)評価ももちろん嬉しいですが、こうしてコメントを頂けることが何よりも嬉しいです！陽愛様のコメントが私の創作意欲を掻き立ててくださいます(*'▽')これからもよろしくお願いします！ (2019年6月5日 8時) (レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
陽愛 - 初めまして！いつも楽しみに読んでいます(^^)高評価が何度も押せればいいのですが(>_<)これからも応援しています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: 99136d3c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃 | 作成日時：2019年5月12日 11時
