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「真波、今日の調子はどうだ？」
「あ、東堂さん。調子ですか？絶好調ですよ！頂上競うんでしょ？
俺、すっごく楽しみだったんです！」
からからと笑う彼に、黒田くんの表情が少し曇る。
インハイメンバーを決めるっていう、かなり重いイベントなのに、
楽しみ…かぁ。
黒田くんの心情を察して、こっちがハラハラする。
「２人そろったな。真波、黒田、ロードに乗れ。レースを始める。
３年は車へ乗れ。Aと泉田もだ」
福富さんの言葉を聞き、急いで準備をする。
そして、先輩方の手を借りつつ、一通り車に荷物を積み終わり、
最後に 記録するためのノートを忘れたことに気づき 急いで部室に戻った。
あったあった、とノートを片手に部室から出ると。
「Aさん」
名前を呼ばれ、振り向く。
「真波くん」
バイクを押しながら笑顔で近づいてくる真波くん。
バイクを部室の壁に立てかけると、彼は私の両手を取り そのまま自分の顔に当てた。
「へへ、Aさんの手だ」
「真波くん…？」
「レースの前に、Aさんに触れたくて」
へにゃ、と笑う。
飄々としてるけど、真波くんも緊張してるのかな？
その笑顔からは そんなの微塵にも感じられないけど
私には真波くんの考えてることはわからないけど、
私が真波くんを応援してるってことを、伝えたい。
「…真波くん」
真波くんの頬を包む手をそのままに、こつん、と額を合わせる。
ふわり、と香るお日様の匂い。真波くんの匂いだ。
Aさん？、と少し強張った真波くんの声が耳をかすめるけど、額は離さない。
「応援してる、ね」
神様、いるならどうか。
真波くんが 誰よりも早く頂上に着きますように。
そう願い、ぎゅ、と目を瞑る。
「Aー！どこだー？車出すぞー！」
遠くから聞こえる新開さんの声。
は、と我に返り 目を開け 真波くんから離れると
私の視界に入ってきたのは、顔を赤く染める真波くん。
「……そーいうの、ずるい、よ」
「え…」
「…ありがと！俺、めいっぱい ペダル回してくる！」
すぐにまた、いつも通りの笑顔を見せてくれた彼は、バイクにまたがり
目の前からいなくなってしまう。
私と言えば。
「(私…！なんてことを…！)」
今、自分がしていたことに気づき、顔が赤くなるのを感じていた。
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桃(プロフ) - さゆりん★さん» ご愛読と応援ありがとうございます！展開が気になる、と仰って頂けると、どう書こうかなぁ、と先を書くのが楽しみになります。荒北さん素敵ですよね、今度荒北さんの小説書こうかなぁ…。キャラの性格と言葉は気を使っているので着目して頂けたのが嬉しいです(^^♪ (2019年6月11日 21時) (
レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
さゆりん★(プロフ) - めっちゃくちゃ面白いです！！いつの間にか次ボタン押していて、一気に読んでました… 展開がものすごく気になります！！真波くんは可愛いけど、私はちょい荒北押しかも… キャラの性格も言い方ぴったりすぎて、普通に声優さんの声が聞こえます (笑) 応援しています！！ (2019年6月11日 13時) (レス) id: 269cb7a691 (このIDを非表示/違反報告)
桃(プロフ) - 陽愛さん» 初めまして、ご愛読と応援ありがとうございます(#^^#)評価ももちろん嬉しいですが、こうしてコメントを頂けることが何よりも嬉しいです！陽愛様のコメントが私の創作意欲を掻き立ててくださいます(*'▽')これからもよろしくお願いします！ (2019年6月5日 8時) (レス) id: b8ab658ad3 (このIDを非表示/違反報告)
陽愛 - 初めまして！いつも楽しみに読んでいます(^^)高評価が何度も押せればいいのですが(>_<)これからも応援しています！ (2019年6月4日 22時) (レス) id: 99136d3c89 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桃 | 作成日時：2019年5月12日 11時
