八十二話 ページ7
すると、敵兵たちが女の子に寄っていく。
“様”と付けて呼んでいるということは、恐らく幹部だろう。
ん、待てコイツら“シュガー”って言ったか？
ここに来てすぐにライオンさんに聞いた名ではないか。
ここまでで気づかなかった自分に情けなく思う。
起こされるとまた面倒そうなので兵たちには少し寝てもらうことにした。
本当に危なかった。
でもなんで気絶したんだ...？
｢Aの行動に違和感を覚えてな、だから俺は麦わら屋に構うなと言ったんだ｣
｢どういうことだ？｣
｢Aは寄っていく島々で、必ずと言っていいほどガキと触れ合う。ガキの世話が上手いんだろうな、いつもソイツらは、笑って礼を言って帰ってく。何故、敵だと分かった？｣
『あれくらいの子供ならもう少ししっかりしているというか...見た目にしては中身が幼すぎた。あとは...やたらと私たちに近づきたがっていた。それ以外は直感です』
いつもなら私から寄ってお話を聞いたりするのだが、今回はそんな気が起こらなかった。
状況的にもおかしい面も多々あった。まぁ結果オーライだ。
｢うーん...よくわかんねェけど、とりあえず行くぞ！｣
ルフィさんに捕まって一気に上へと飛ぶ。
緊張感は先程よりは無くなったが、いよいよかと気持ちを落ち着かせる。
そしてやっとその地に足をつけられた。
｢来たぞ！ミンゴ！｣
王宮最上階、決戦の地。
正面には椅子に座るドフラミンゴ。左には最高幹部トレーボル。
｢一応聞いておこうか。お前らココに何をしに来た？｣
｢お前をぶっ飛ばしにだ！！｣
｢同じだ｣
『同じです』
｢失望したよ｣
暗く、重い声でそう言った。
見えていなかったが、ドフラミンゴの右にコロシアムに居たベラミーが倒れていた。
息も細かく、とても苦しそうだ。
彼は、幹部になるためにコロシアムの大会に参加したものの敗退。だが、もう一度チャンスが。...それはルフィさんの命を奪うこと。
ドフラミンゴにより、ベラミーの痛々しい顔が見えた。
殺してくれ、と力なく。
その言葉でルフィさんはドフラミンゴに攻撃を仕掛けたが、ベラミーの顔を盾にする。
もうドフラミンゴには、情というものなど存在していないのだろう。
感情を煽り、冷静さを欠くのが奴のやり方。
これは長い闘いになりそうだ。
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年11月3日 19時
