八十一話 ページ6
無事、お父さんと会えたレベッカはルフィさんに声を掛けられ、今にも泣きそうな顔だった。
走り出すと彼女の言葉に呼び止められる。
｢ねェ、ルーシー！ドフラミンゴを倒してくれるの？｣
｢...ルーシーじゃねェ。俺はルフィ、海賊王になる男だ！だから安心してろ｣
こんなにもハチャメチャなことを言っていても何故か信じられるルフィさんの言葉。本当に不思議としか思えない、そんな気持ちだ。
｢＿＿＿＿ROOM＿＿＿＿シャンブルズ｣
『やっと王宮、ですね』
｢ココがか、便利な能力だな〜｣
｢その分、体力を消耗する。Aも同じはずだ。ここまでどれだけ能力を使ってきた？｣
『あー...それがここ1年あたりで能力を使っても全く疲れなくなったんですよね』
私の食べた悪魔の実“ピエピエの実”は本来、能力を使う分体力を消耗する。
新世界に入る前までは、ある程度の回数もしくは広範囲・長時間使用してしまうと、糸が切れたように体が言うことをきかなかったり、意識が飛んだりしていたのだが、最近になって無くなってきたのだ。
まぁ別に悪いことでは無いし、私自身の体力も増えたと考えれば自然なのだが...
今日に限ってはだいぶ使っているし、ほぼ休憩もなく走ったりもしている。
『特に心当たりとかはないんですけどね』
｢んなこと後ででいーだろ、早くミンゴぶっ飛ばしに行くぞ！｣
ここで、早くドフラミンゴをぶっ飛ばしたいルフィさんと、いつでも冷静で確実に仕留めたいキャプテンで意見の食い違い。
私は邪魔なようだから少し周りを探索するとするか。
まァ報告係はいるか。今、うっすらだが声が聞こえた。私たちが来た、そんな報告だろう。
すると、少し早めの重さが感じられない足音が通路の奥から聞こえてきた。
すると可愛らしい女の子が泣いて出てきた。
｢助けて！お兄ちゃん！｣
｢何で子供？｣
『...』
｢相手にするな、行くぞ｣
｢やだ！1人にしないで！！｣
私たちについてくる子供。
女の子の行動に違和感を覚えた。
コイツ、
｢これあげるから！｣
『ルフィさん、ダメです』
｢くれるって言うんだしいいじゃねェか！｣
ルフィさんが女の子の手に持っているグレープを手に取ろうとした瞬間
｢ぎゃああああああ！｣
凄まじい悲鳴と共に気絶をしてしまった。
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作者名：つんてん | 作成日時：2022年11月3日 19時
