検索窓
今日:8 hit、昨日:8 hit、合計:613,766 hit

嫉妬症3 ページ47

:






Aの呪いを解呪する時に僕らは婚約し、晴れて夫婦になった。
僕の苗字をAが名乗って、
同じ家に帰って、同じ布団で眠る。


この幸せを知ってしまえば
もう手放せないし、何にも邪魔をさせるつもりはない。


Aさえ生きて僕の傍にいれば、それでいい。







だけどAは違うみたい。

学年が上がり、任務に就くことも増えたせいで
僕の知らない間にAはどんどん大人になっていく。

昔のAの世界には、僕と彼女だけだったのに、
硝子や恵、悠仁、野薔薇が加わり、
今では僕の知らない男まで入ろうとしてくる。


Aのことになると、
自分でも驚くほど僕は余裕がなくて、我儘になる。

結婚して、夫婦になっても変わらない。

むしろ、前よりずっと、
君が離れていくのに臆病になってる。









「A……僕だけ見てて、」


『……っ、』








「…A」


『…さ、とる?』









「…お願い…、他の人に、僕の知らない顔で笑いかけたりしないで。」









こんなに不安そうに困らせた顔をさせたくないのに。
もう昔みたいに自分を抑えられない。

何より大事に、大切にして、
幸せに、笑ってて欲しいのに、

僕は綺麗なまま君を愛せない。


どんどん独り占めしたい欲が大きくなって、
こうやってAを傷付ける。









『さとる…』


「…、」







『…大丈夫、だから……、泣かないで』


「…僕泣いてる?」








『ううん。…でも、泣きそうな顔してる。』


「…………かっこわる」









Aの首元に顔を沈めて、少し強めに抱きしめる。
子どもをあやすみたいに頭を撫でられ、ますます情けない。









『ごめん。こんなに嫌な思いさせてるなんて思わなかった。』


「僕もだよ。もっと優しくてカッコイイ大人だと思ってた。…………後悔してる?結婚したの。」









『してない。私は忌み子だから、早く強くなって、立派な呪術師にならないと、認めてもらえない。だから頑張って背伸びするの。』


「Aは立派だよ。上が邪魔さえしなければもうとっくに一級になれてる。」









『でもまだ悟の隣には相応しくない。ずっと守られてたから、ちゃんと一人で立てるようになりたいの。…だめ?』


「………だめじゃない。」









『……すごい嫌そう。』


「嫌だよ。……やっぱり呪術師になんてさせるんじゃなかった。」









『…どう?納得した?』


「…………………したくない。」

お知らせ→←嫉妬症2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (532 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1266人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 両面宿儺
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます! (2020年11月22日 22時) (レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています! (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました!一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ! (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています!正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます! (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月3日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。