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私を知らない貴方へ2 ページ43

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隣の男性と肩を並べるほど十分に背は高いが、
私が知っている彼よりはまだ少し低い。

色素の薄い髪と白い肌。
サングラスの向こうに見える瞳は
相変わらず見惚れるほど綺麗だ。

でも纏った雰囲気は少し違う。
どこか刺々しくて、威圧感すら感じる。

いつも私を甘やかそうとする
優しくて暖かい悟ではない。








「誰?何で俺を知ってんの?」


『すいません。…あの、……人違い…かも』









「違わない。俺は五条悟で、こいつは家入硝子。」


『!』








同じ顔に、同じ名前。
でも2人とも、まだ幼くて、きっと高専の学生。
そして私のことも分かっていない。

訝しみながら掴まれた手には力が籠って、
じんわりと痛みが走る。

ならばきっと、夢ではないのだろう。




私は、まだ私たちが出会う前の世界に来てしまったのだ。

本来なら一回り以上離れている私と悟。
でも今目の前にいる彼はきっとほぼ同い年の学生。

この世界の私はきっとまだ幼くて、
彼は存在すら知らない。









『……私、夜蛾先生と御縁があって…。よくお名前を聞いていたので…。すみません。いきなり呼んでしまって…』





どうせ後でバレてしまう嘘だが、
私はこの世界にいるべき人間ではない。
出来るだけ関わらないよう、早くここを離れないと。






「…夜蛾の、知り合い?」

「歳は?」


『15です。』







「1年か。七海達と同級生だな。」

「ウチの学生じゃないね。京都から来たのかな。」





「夜蛾と、どんな関係だよ。」

『…昔、お世話になりました。』





「いつ。」

『…こ、子どもの頃に…、』





「名前は。」

『……っすいません、ちょっと急いでるので…』






「あ" コラ待て!」








夜蛾先生の名前を出せば少し納得した2人とは反対に、
悟はどんどん詰め寄ってくる。

そろそろ誤魔化すのが苦しくなって
手を払って逃げるが、
何故かまだ後ろを追いかけてくる悟。
捕まってはいけない気がして、思わず走って逃げる。









「悟!?…何してるんだ?」

「あーあ、可哀想に。気に入られちゃった。」






「先行っとけ!夜蛾には言うなよ!!」









「強引なのは良くないんじゃないか?女性が皆君に気がある訳じゃないんだから。」

「そうだよ。左手の指輪見たでしょ?もうどっかのイカれた男に首輪つけられてるじゃん。」








「知るかよ。外して俺のに取り替えればいいだろ。」









「………最低、」

「……ハァ」

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茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます! (2020年11月22日 22時) (レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています! (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました!一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ! (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています!正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます! (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年4月3日 2時

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