検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:613,751 hit

私を知らない貴方へ ページ42






一体、何が起こったのだろう。


担任の五条先生は別任務で地方へ。
残された私たちは
新田さんの引率で都内の廃ビルで呪霊を祓う任務へ。

すばしっこい呪霊に新田さんが捕まったり、
途中で悠仁が行方不明になったり、
すっかり時間は夜中になっている。








『…?』




そして外灯も消えるほど更けた夜の中、異変は起こった。

重い足で門前の階段を上っているところ、
重い瞼を擦って開いた途端、

真っ暗だった空は夕暮れに。
隣にいたはずの野薔薇も、
前を歩いていた恵も悠仁も居なくなった。




辺りを観察してみても、高専にいることは変わりない。
呪霊も感じないし、結界が張られている様子もない。





少し考えてみたが、何が起こったのか見当もつかない。
ただ階段の上には数名の呪術師の気配がする。
とにかく高専に入って誰かと合流しようと決め、足早に階段を登った。







































『…っ、ごめんなさ、い…―』









「あっぶね。」



「大丈夫?ほら、ちゃんと前見て歩かないから…」



「…ん、なになに?」








上まで登りきったところで突然現れた人影にぶつかった。
反動で後ろによろけ、階段を落ちそうになるのを
ぶつかった人の大きな手が伸びて助けられる。

感じていた呪術師の気配はきっとこの人達だ。


声のする方に目を向け、いちばん最初に視界に入ったのは
大きな体に長い髪を結った男の人。
落ち着きのある大人な雰囲気で優しそう。









「制服を着てるってことは、学生かな?」









優しい笑みを浮かべながら伸ばされた手を
もう片方の空いていた手で取る。

1年と2年の顔なら、乙骨先輩以外は知っている。
面識がないということは、3年生か4年生なのだろうか。







「見たことない顔。編入生?」


『……硝子、さん?』








後ろから顔を覗かせ話しかけてきた女性は
少しだけ幼いが、硝子さんに本当に似ている。
心配なほどに白い肌に、綺麗な泣きボクロ。
印象的な目の下にあるクマは少しだけ控えめだ。







「んー?」


「知り合いなのか?」








「見覚えないなぁ…。」


「…変だな。硝子は有名だけど、悟みたいに顔が知れてるわけじゃないし…。っていうか、いつまで手を掴んでるんだい?いい加減離して謝りなよ、悟。」









「…。」


『…っ、』









私の手を掴んだままの、
大きな手をした彼の顔を見上げる。





『… さとる……?』

私を知らない貴方へ2→←僕を知らない君へ3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (532 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1266人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 両面宿儺
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます! (2020年11月22日 22時) (レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています! (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました!一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ! (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています!正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます! (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2020年4月3日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。