琥珀色の宝石3 ページ33
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午前の最後の競技が終わってお昼休憩が始まり、
2人とも手作りのお弁当を持って彼氏の所へ行ってしまった。
こっそり呪力感知で学校内を探っても、
まだ悟の気配はない。
任務があると昨夜遅くに家を出ていった。
特級呪術師なら任務の難易度も他とは段違い。
たった半日で戻るのは難しかったのかもしれない。
まだお昼休みの時間は残っているため、
もう少しだけ待っていようと校門の方へ足を向ける。
すると聞き慣れない声に名前を呼ばれ、咄嗟に振り返った。
「冬賀さん。ちょっといいかな？」
『…？、はい。』
産休に入った副担任の代わりに
先月から赴任してきた山之内先生。
若くて優しくて、クラスに馴染むのはかなり早かった。
特に女子からの人気が高く、
他クラスの生徒もよく顔を見に来ている。
「数学準備室ってどこか分かる？物品取って来るよう言われたんだけど、場所聞くの忘れちゃって…」
『北棟の3階です。階段上がって、右に3つ目くらいの…』
「あー…ごめん、良かったら途中まで一緒に来てくれない？まだ道覚え切れてなくて」
『あっ、すいません。そうですよね。』
ここからは少し遠いけど、
途中までの案内だけなら10分くらいで済む。
悟を待つ間特に用事もなかったので
ちょうど暇潰しになると何気なく引き受け、
お弁当を手に持って先生と一緒に北棟へ向かった。
「ごめんね。せっかくの昼休みに。」
『大丈夫ですよ。気にしないでください。』
「優しいねぇ、冬賀さん。教師の評判もいいし、可愛いし、モテるでしょ？」
『そうですか？彼氏もできたことないです。』
「勿体ないなぁ。…まぁでも、そうなるだろうね。」
『…？』
「ん？どうしたの？」
何でもない会話の流れで、
少しの違和感を感じて振り返るが
綺麗に整った笑顔で返される。
呪いの気配は感じない。
でもどこか靄がかかったような不思議な感覚が気持ち悪い。
何にそう感じさせられるのか分からず、
先生の目を見続けていると
一瞬だけ人の良さそうな優しい表情が崩れ、
口の端が歪に歪んだ。
3年間悟の傍にいたせいで、
久しく感じなかった黒い欲に覆われる不快感。
早くこの男から逃げないければ。
咄嗟に後ろに下がったが足に力が入らず、
崩れ落ちるように床に手をついた。
「あ"ー…、勘が良い餓鬼だな。」
『…っ』
「1ヵ月も準備した結界だ。さすがに気付かなかったかぁ？」
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茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます！ (2020年11月22日 22時) (
レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました！一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています！正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます！ (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月3日 2時
