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結局電気は消したまま
悟はバスタオルを巻いて私は服を着たまま
大人しく座っている後ろから髪の毛を洗う
長く一緒に暮らしたが初めての経験に少し緊張する
耳をひっかかないように爪を立てないように
綺麗な白い髪の毛に指を通す
体は自分で洗うように促し浴室を出ようとすると
後ろ向いてていいから待っていろと言われ
渋々言われた通りに隅でしゃがんで待つ
しばらくすると水の音が止み浴槽に浸かる音が響いた
悟「はい、こっち来て。」
『…熱い。』
服を着たまま湯気のこもる浴室に居るのはさすがに熱い
もうすでに濡れているため躊躇うこともなく湯船に腰掛け足だけ付ける
悟「入ればいいのに。」
『恥ずかしいから無理。』
悟「この前はキスの後も誘ってきたじゃん。」
『…あれ、は…』
悟「自分はもう死ぬから早く抱いてほしかった?」
『…。』
何と言えばいいのか口籠っていたら先にはっきりと言われてしまう
内容は違わないが
そういわれてしまえば何となく情けない気持ちになる
悟「Aもさ、もう少し僕のこと考えてよ。」
『…ごめん。』
確かに自分勝手だった
大切にしてくれている悟の気持ちを誑かして
自分の欲を満たそうとしてた
悟「自分が居なくなった後の僕のことは、どうでもいいの?」
『…私が居なくても、悟の周りにはいつも素敵な人がいっぱいいるから…。でも私は悟しかいないから、…まだ体が綺麗なうちに…と思って……』
本当に最低すぎる
口にしたらもっと自分が嫌になった
どこに行っても、誰に会っても、
一般人も呪術師も関係なく
貴方は周りの女性の目を惹き付けて離さなくて
その人たちはきっと悟に夢中だった
だから私のことは少しの時間だけ悲しんで
また違う誰かの手を取ってほしかった
『ごめん。…馬鹿だった。』
健気な自分を取り繕っても所詮欲張りな子ども
自己嫌悪に溺れそうだ
『…っ』
悟「分かってないね。」
悟の目が見れなくて俯いていると
膝の上で握っていた手を引かれ湯船の中に引きずり込まれる
もう服も顔もどこもかしこがずぶ濡れ
でもそんなのお構いなしに壁に押し付けられ
悟の顔はすぐそこまで迫ってくる
濡れた髪のせいでいつもより色っぽくて
こんな状況にも胸がときめいてしまう自分につくづく呆れる
悟「A、教えてあげる。」
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茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます! (2020年11月22日 22時) (レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています! (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました!一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ! (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています!正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます! (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:縞 | 作成日時:2020年4月3日 2時