知らない顔４ ページ15
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勢いのまま家を出たが
特に行く当てもなく帰宅ラッシュで人通りの多い街を
目的もなくぶらぶらと歩くA
図書館や映画館で過ごすにしても精々2〜3時間の暇潰しにしかならない
周辺に宿泊施設はないし
中学生では漫画喫茶は夜間使えない
このまま歩いていてもいいが補導でもされたら悟に連絡が行く
なんとなく、今は彼のことを考えたくない
『…？』
これからどうしたものかとふと空を見上げると
電線にとまった1羽のカラスと目が合った気がした
微かだが呪力を帯びた大きなカラス
カラスといえば思い当たる人が1人いる
だがこんな所で会うはずはないとまた歩き始めると
カラスは目の前に降り立ちカァ、と小さく鳴き始めた
無視して避けようとすると大きな体を揺らして
ヨチヨチと可愛らしく付いてくる
もしかして予想は当たっていたのかもしれないと
周囲を見渡すと、目当ての人は案外すぐそばに居た
冥「お嬢さん、こんな時間にどこに行くんだい？」
『冥冥さん！』
冥「余所余所しいな。冥さんでいいよ、A。」
陽はとっくに落ちネオンや外灯さえ明かり始めた
人も呪いも活発になってくるこんな時間に、
あの男が心底大事にしている女の子を拾うなんて奇妙なことだ
何か興味深い事情がありそうだと頭の片隅で考えながら
純粋に久しぶりの再会を喜び合う冥冥
宿儺の生まれ変わり、
1級呪物である阿氷良依姫の器と術式、
14歳にしてこの膨大な呪力とそれを操るセンス
そして五条悟の唯一の弱み
冥冥にとってAはかなり興味をそそる対象だった
冥「浮かない顔だねぇ。五条と喧嘩でもしたの？」
『…いえ。…ただ、家に居たくなくて…』
冥「…ちょうど良かった。夕飯の相手を探していた所なんだが、どうだい？」
『私あんまりお金持ってないですよ？』
冥「ハハ。さすがに中学生に払わせるつもりはない。私が出すよ。」
さあ行くよ、とAの返事も待たず手を取り歩き出す冥冥
半ば強引だったがそれが寧ろ有難かった
少し歩いて行くとかなり高級そうな中華料理屋の前で足が止まる
制服で来てしまったことを後悔するが
美味しそうな匂いに誘われ頭のモヤモヤも霞み、自然とお腹も空いてきた
『ちょっと待ってね。……ぅわっ、』
悟に夕食の連絡だけしておこうと携帯を取ると
冥さんのカラスに横から奪われてしまう
冥さんを見ると悪戯っ子のようにウインクをして
そのままカラスをどこかへ飛ばしてしまった
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茉莉 - この作品が好きです。更新、待ってます！ (2020年11月22日 22時) (
レス) id: a68061a5cd (このIDを非表示/違反報告)
Gettion - え…心臓痛くなるくらい好きです。応援しています！ (2020年11月6日 18時) (レス) id: b24edd395c (このIDを非表示/違反報告)
uka8502(プロフ) - 更新停止ですか??ホントに面白すぎてハマりました！一気に見ました!!更新ホントにお願いしますっ！ (2020年10月19日 1時) (レス) id: 7913de20e0 (このIDを非表示/違反報告)
AiRIN(プロフ) - いつも楽しく拝見しています！正直、縞さんの作品ならどれも大歓迎ですが、しにたがり姫か好きなので、続編を待ってます！ (2020年5月17日 13時) (レス) id: 931e2c7403 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：縞 | 作成日時：2020年4月3日 2時
