Cheri【アイナナ】 (ページ37)

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第35話ページ37

私は嬉しさのあまり三月さんに抱きついた。

三(こいつ男のくせにいい匂いするし、なんか柔らけぇ…って、オレ何考えてんだ？！)

…よく考えないで本能のまま抱きついたけど、よくよく考えたら私今男だ！

男が男に抱きつくって気持ち悪いよね…

あーっ、やっちゃった。三月さんもなんか黙り込んじゃったし…謝らないと

「あっ、三月さんごめんなさい…男に抱きつかれるの気持ち悪いですよね…」

三「いや、その、驚いただけで、嫌ではない。…それによくナギとか抱きついてくるしな！！」

「なんかすみません…でも三月さんのケーキ食べるのとっても楽しみです！ありがとうございます。」

私は三月さんから離れると、三月さんの顔を見てニコッと笑った。

それを見た三月さんは目を見開いて、頬を赤く染めてた気がしたけど…気のせいかな？

三(なんでこいつこんな可愛いんだよ…本当に同じ男か？いやだから、なんでときめいてんだ？！悠人は男…悠人は男…)

「三月さん…？」

三「えっ？！あ！？なんでもない！！悪い！！気にすんな！！あっと、ケーキだよな！楽しみにしとけよ！さっ、あいつらそろそろ戻ってくるだろうから盛り付けしちゃおうぜ！」

「え！？あっ、はい。」

まくし立てるようにそう言われ、不思議に思ったけど突っ込める雰囲気ではなかったから、そのまま黙っていた。

机の上に置かれていく綺麗に盛り付けられた料理たち。

軽くつまめるものって言ってたけど、和から洋から様々な種類の料理がテーブルの上に所狭しと並べてある。

出来立てということもあり料理から湯気が立ち上り、そこからいい匂いが部屋の中へと広がっていく。

「どれも美味しそう…お腹減ってきちゃいました。」

美味しそうな匂いにつられて今にもお腹の虫が鳴りそうだ。

そんな事を考えていると、玄関の開く音が聞こえた。

複数の足音が聞こえ、リビングへと入ってきたのは
買い出しに行っていた4人だった。