ジョジョの短編集

甘えたがり【2部ジョセフ】★ ページ10

私の恋人は、とっても強くて、かっこよくて、優しくて、何より私のことを大切にしてくれるから、大好きだ


「ジョセフー！！抱っこして！！」

「しょぉぉ〜がねぇなあ、ほらよ！」

「きゃー！！たかーい！」


彼に抱き上げられると、私の視線は一気に彼と同じものになる。逞しく、固い腕に抱かれて私の気分は一気に高揚した


「ありがとう！ジョセフ好き！」

「わはっ、可愛いヤツめ」


ぼす、と彼の首筋に顔を埋めて喋れば、一瞬擽ったそうに彼は笑う。そんな彼が可愛くて、大好きで、彼から離れたくなくなってしまう

昔から私は甘えたがりだったが、こんな所がダメなのか友達からも恋人からもウザったく思われることが多かった。だが彼は違う。私のことを面倒に思わないで、我儘まで聞いてくれる

こんなの、もっと甘えたくなってしまう



「ジョセフ、いつもごめんね」


ぐ、と首に回した手の力を強くすると、彼はそれに呼応するかのように私を抱く力も強くした


「気にすんなよ、Aチャン。俺も好きでやってんだから」

「ジョセフ〜〜っっ！！」


その言葉にキュンときて、腕の力をもっと強くすると、彼が変な声を上げた。苦しいようだ


「ちょ、首、くるし」

「あっ、ごめんなさい！！」


腕の力を緩めれば、彼はげほげほと咳をした。波紋使いは首が大事なのによぉ…と呟きながら、私の方を向いた


「もぉ〜、次は気をつけてよん」

「はーい…」


私を抱き抱えていない方の手で、私の鼻を人差し指で軽くつつく。その仕草が可愛いのだが、今回は反省しなければならない、と心の底から思った



「む、そんな顔すんなって。笑ってる方が可愛いぞ」


しゅんと俯いていると、彼の声が頭上から降る。そして、頬を柔らかく掴まれ、そのまま彼の方を向かせた


そしてそのまま、軽く口にキスをした。一秒も触れていない軽いキスだったが、私にはとても長く感じられるようなキスだった


「…ジョセフ！」


そのキスに、口が弧を描き始める。嬉しさ故に、にやにやが止まらなくなった


「やぁーっぱり、Aは笑ってる方が何百倍も可愛い」


彼の柔らかい笑顔に私も釣られて私も更に笑顔になる。また彼に思い切り抱きつくと、今度は彼も抱き締め返した


こんなに優しくて、かっこよくて、強い彼は私には勿体ないだろう。でもいい。私が彼を好きで、彼が私を好きならば、これでいいのだ



この幸せな時間が一生続くように、と願って彼の頬にキスをした

彼の意外な一面【アバッキオ】★→←依存毒【フーゴ】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す