井上瑞稀は双子の兄です (ページ16)

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パジャマを着て部屋を出ると瑞稀が待っていた。

なんで居るのこいつ。

「なんだよその目」

『別に～
なんで居るのかかなって思っただけ』

そう言って瑞稀の前を通り過ぎようとした時、

グイッ

突然瑞稀に腕を引っ張られ、瑞稀の方に体の重心が掛かる。

そして抱きしめられた。

『な、なに』

突然のことに戸惑う私。

急にどうしたの、瑞稀。

顔が熱くなるのが分かる。

「 Aってさー ...

無防備すぎるんだよな」

そう言ってさらに強く抱きしめられる。

『どういう意味、』

「俺から、離れたりしないよな？」

『ねえ、ほんとにどしたの、』

瑞稀の様子がおかしい。

いつもの瑞稀じゃない。

いつもなら、こんな抱きしめるなんて有り得ないのに。

『ね、ねぇ、みず「あーー！みずっくん居た！！」

え、何事。

突然の叫び声にびっくりする抱きつかれたままの私と、離れない瑞稀。

そして階段を登ってきて瑞稀を指差す猪狩くん。

『あ、あのー ... これは ... ？』

戸惑いながら猪狩くんに聞いてみる。

「すいません、みずっくんお酒飲んじゃったみたいで ... 」

『お酒！？！？
まさか、パパとママの！？』

猪狩くんは私にペコペコお辞儀して、酔わないって本人言ってたのになーと呟きながら私から瑞稀を離す。

だから様子がおかしかったのか ... 。

パパとママに怒ってもらおう。

猪狩くんは謎に駄々をこねる瑞稀を無理やり連れてリビングへ戻った。

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