【募集企画】あるマスターの日常 -第二幕-【派生作品】

□90話　視点:橘 樹 ページ41

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　エプロンを着て、エミヤと並んで厨房で作業をする。ギルは手伝うはずもなく、食堂の椅子に座り、１人コーヒーを飲みながら粘土板を読んでいた。


粘土板の文字この前見たら、くさび文字で全然読めなかったんだよな…


と、鼻で笑われたのを思い出せば今度所長に聞いて勉強しようと決意する。

絶対、読めるようになって見返してやるわ。


そうひとり決心すれば、俺の視線に気づいたのか粘土板を蔵にしまい、こちらへ歩いてくるギル。



「できそうか？」


と、においにつられてやってきたのか具材の数々をみれば「おお」と感嘆の声をあげていた。

そんなこんなで今回は生地にも具材にもこだわり、わりと満足のいくできに仕上がったほかほかのたい焼きをお皿に盛れば、ギルと共にマイルームへと向かう。


にしても、こんなに必要だったか？


と、大量のたい焼きがのった台車をひき、廊下を進む。


途中途中で、中身について聞いてくるギルを嗜めながら歩みを進めれば、部屋の前で待つ２つの影。


俺たちの姿に気づけば、手をふるルイスに小さく笑いかけれるといつものやりとりをするハメになる。



こいつ、本当にブレない。もう一周回って感心するわ。



「ごめん、待たせて」

「問題ありません、それよりもイツキ。それは…！」


「とりあえず、中入ってよ」


と、心なしか瞳がきらきらしてるアルトリアに小さく笑いかければ、扉を開け、炬燵の上にことりとたい焼きを置けば、自然な流れで炬燵に入るアルトルアとギル。


ルイスは一瞬首を傾げるも、二人にしがたって炬燵に入ればほっこりしている３人になんだか笑いそうになる。


なんだろ、この３人が円卓囲んでるって…しかも、たい焼き囲んでるってなんかシュールじゃね？



「イツキ！このたい焼きは、もしや中身が異なっているのですか？」


「良くぞ、気づいたな、セイバーよ。中身は何種類ものに別れていてな」


「貴方には聞いていません」



そして、ここもブレないな。


ブレないといえば、ルイスとギルが揃ってるんだ、こいつらの怪しい関係について探るか。

「そういえばさ、」と投げかければ俺もまた炬燵の中へと入る。


これは、炬燵の魔力を利用してこいつらから意地でも聞き出して見せる。



「なんだ、樹」


「なんか、ルイスとギル、仲良くなった？朝から様子がおかしい」




このあと、やきもちか？とルイスとギルがはもったことは言うまでもないだろう。笑

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