□77話 視点:橘 樹 ページ28
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手を合わせ、朝飯をとればおいしいご飯に感謝するしかない。エミヤに今度、料理教えてもらお。
と、思考に耽るのも束の間、「おい、樹!肉食わねぇならもらってやるぞ!」と瞳を輝かし、俺のベーコンを狙う騎士。
「そんなに食いたいの?モーさん、もしかして肉好き?」
「あったり前だろ!男なら肉を愛さない方がおかしいってもんだ…って、ああ!!なに食ってんだよ!」
「隙あり、ってやつだ。モーさん」
モーさんの皿に大切に温められていたベーコンをいただき、にやりと笑う。
隣でなにが愉快なのかギルの高笑いに、必死にモーさんを止める椿。
「止めるな、マスター!これは決闘を申し込まれたも同然なんだ!」
「決闘って…モーさんも俺の狙ってたんだろ?」
「当たり前だろ」
けろっとこの騎士は…。
と、呆れていれば新しいマスターがやってくるとの放送が流れ、急いで残りをかきこむ。
どんなマスターが来るんだろうな。
と、食器を片付け席へと戻れば、いつもより無表情なギルに声をかける。
「ギル、どうした?」
無視…ではないんだろうけど、頬杖をつき扉をずっと見つめていた。
どこか様子のおかしいギルに首を傾げるも、横顔を見ていれば「来るぞ、樹」と、
視線のみを俺にむけ笑いかける。
「え?」
と、扉に視線を向ければそこに立つ見るからに外人なのだろうという…表現があっているかはわからないけど、綺麗な少年が立っていた。
あれ、でもなんかどこかで見たような…誰かに似ているような…
と、彼の顔を見据えれば隣で叫ぶ椿に驚く。
「おい、椿?!」
だけど、あれはもう聴こえていない。
ズンズンと音をたてて、その少年に詰め寄れば取っ組み合いが始まっていた。
あれは止めないとだめだ、と立ち上がろうとしたとき。
俺はついに出会ってしまった。
彼の後ろから現れたあの緑の髪をもつ美しい英霊…
ファン心理というやつか、直感で理解できた…が、目が合えばにこりと微笑まれ「うぐ、」と変な声と共にその場に蹲る…いや、驚きすぎて腰を抜かしたというのが正しい。
「ギ、ギギギギギル、あ、あれはまさかっ」
「っ?!落ち着け、樹。アイドルをみた女のようなはしゃぎ方をしおって、今すぐやめろ!調子が狂うわ!!」
「だ、だって、あ、あの…待って、やばい、こっち歩いてくるんだけど!今すぐ追い返せよ、ギル。今すぐだ!」
「ええい、面倒な!それよりも早くあれを止めてこい!」
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時