□76話 視点:ギルガメッシュ ページ27
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二度寝を決め込み、目が覚めたのは7時をまわった頃。眠りに落ちるにも、ギルと椿の会話が耳に入ってきて中途半端に眠ったせいか、眠い。
「眠い…ギル、椿は?」
「奴なら部屋に戻ったわ」
と、どこか機嫌がよさそうなギルを傍目にラックの収納から着替えを取り出せば袖を通し、会話をする。
「おい、樹。椿といったかあの女、なかなか礼儀をしる者ではないか。
「はあ?」
椿のことだ、また思ったことをそのまま口にだしたらそれがたまたまギルのツボにハマったというのがことの顛末だろう。
だけどまぁ。
「お前も見習うが良い」
「持ち帰って検討するわ」
「どこに持ち帰るというのだ、おい、樹!」
腹減った…と目をこすり、洗面台で顔を洗い、髪をセットする。
横でごちゃごちゃ言っているギルの声がいい目覚ましになりそうだな。
「ほら、ギル。食堂いくぞ。腹減った」
「お前という奴は、全く」
廊下を歩き、食堂へと向かえばギルと会話をする。
どうやら昨日は風呂場でルイスと会ったらしく、秘密の会談を薔薇風呂でやったとかなんとか。
「え…きしょ…お前らまじかよ、しかも薔薇風呂…」
「きしょ?おい、樹。"きしょ"とはなんだ、説明しろ!」
「気色悪いって意味だよ」
ズバッと言い切れば、一瞬ポカンとするギルをおいて先に食堂の扉を開く。
中にいた椿と椿のサーヴァント、モーさんに手を振られればその席に邪魔することに決めた。
向かう途中にルイスが目に入ったが、もう謎の感情でしかお前のこと見れねぇよ…と内心苦笑するしかなかったわけだが。
「おう!ギルガメッシュのマスターさんよ!朝飯はむこうだぜ」
「おはよ、モーさん。俺のことは樹でいいよ。それ長くて呼びにくいだろ?」
「お、本当にコイツは話しがわかるやつだな。マスター」
と、フォークで俺を指さす円卓の騎士。
テーブルマナーはどうした、騎士。父上に見られてたぞ、今の。
エミヤにお礼を言い、朝飯を受け取り席に着けば不意に思い出す。
そういえば、俺は今日夢をみたんだった。
"麦酒と羊、それに加えて人々の笑顔があれば満ち足りる。ここはそういう国なのです"
顔こそ見えなかったけど、その褐色肌の美しい女性はそう笑った。
夢の中で微笑んだあの女性は誰だったんだろう。
だけど、夢でみた見覚えのない景色…ということは。
「なんだ?」
「なんでもない、いただきます」
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時