■60話 視点:ルイス・スタインフェルド ページ11
夕食後、アルトリアと共に樹くんの部屋へと訪れた。
彼は笑顔で歓迎してくれて、思わずいつものことを聞けばその笑顔のままで断られてしまった、早速畳を投影する準備をする。
「なんか手伝うことある?」
「お気遣いありがとう樹くん。大丈夫、少し思い出すだけだからそんな時間はかからないよ」
横幅が確か一ヤードぐらいで、縦幅が約二十ヤード、厚みが大まか二インチだったはず。
うん、大丈夫。
「
投影したそれはイメージ通り、あの時エリザベスにプレゼントした畳とそっくりそのままのもの。
「イツキ、どのように敷いていけばいいか御指示願います」
「お、おう」
目を剥いて俺が投影した畳を凝視する樹くんは、アルトリアに縦に敷くか横に敷くかの指示を出していた。
俺も必要な枚数を投影し終えるとアルトリアと一緒に畳を敷こうとするが。
「マスター、これは私にお任せください」
随分楽しそうな顔でいうものだからアルトリアの意見を尊重した。
そんなに畳を敷くのが楽しかったのか…。
アルトリアのお陰で随分早く敷き詰めることに成功したのであとの作業はかなり順調だった。
ギルガメッシュ王は何処からか、おそらく蔵から取り出したのか、黄金の椅子に座って俺達の動きを…いやあれはアルトリアを見ていたに違いない。
当のアルトリアは視線に気付きつつも決してギルガメッシュ王を見ずに樹くんに何処に何を置くのかを聞いていたので、ギルガメッシュ王の一方通行かと頭の片隅で思った。
「よし、終わった!」
初めてから約二時間ほど。
夜の九時までにはなんとか完了できたのでほっと一息。
見事に和洋折衷の謎の空間に、こういうのもありかと思っていれば笑顔の樹くんが俺とアルトリアに感謝の言葉を掛けてくれたので二人して首を横に振るった。
「気にしなくていいよ樹くん。俺が好きでやったことだから」
「マスターの言うとおりです。私も畳を敷けて楽しかったので」
「いや、でも俺の気がすまないから今度お礼させてよ! 俺にできることなんて少ないけど…そうだ、日本のお菓子でも御馳走するよ」
ここまで言ってくれるなら断るのは失礼だろう。
笑顔で頷けば樹くんも嬉しそうに笑ってくれた。
「…樹くん、良ければハグと頬擦りを」
「…お前本当にぶれないな」
呆れた目の樹くんも素敵だよ!
見事断られたので涙を呑んで彼の部屋をアルトリアと共に後にした。
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玲乃音(プロフ) - アルトリアとエミヤとのたい焼き話しが凄く気になります!! 続き頑張って下さい (2019年11月7日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 細波幸近さん» コメントありがとうございます。是非、妄想していただいて楽しんでいただければと思います! (2019年10月22日 12時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
細波幸近(プロフ) - なかなか面白い展開ですね!ここでうちの子に見せたら面白そうとか妄想しちゃいますね (2019年10月22日 12時) (レス) id: a768fd0174 (このIDを非表示/違反報告)
湊(プロフ) - 玲乃音さん» コメントありがとうございます。ルイスくんだからこそ一緒に入るのが許されたのではないかと思います。更新頑張りますね。 (2019年10月19日 22時) (レス) id: ab18fde111 (このIDを非表示/違反報告)
玲乃音(プロフ) - ウワワ〜〜!!ルイスとギル様!! 二人のお風呂シーン!! 楽しそうだなぁ……ギル様と風呂仲間になりたいなぁ (2019年10月19日 20時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:翔べないペンギン/湊 | 作者ホームページ:なし。
作成日時:2019年10月9日 13時